2019 Fiscal Year Annual Research Report
微分積分学の論理の解明―規則の理論としての論理学に向けて
Project/Area Number |
19J00542
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
伊藤 遼 慶應義塾大学, 文学部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2024-03-31
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Keywords | 論理学 / 規則 / 数学の哲学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は「規則の理論としての論理学」という構想を提示することにある。当該年度においては、CPD採用による研究計画の変更が一部あり、当初予定していた (i) 「19世紀微分積分学の歴史における多種多様な推論形式の探求」に代えて、(ii) 「規則の理論としての論理学という構想そのものの具体化」に取り組むこととなった。加えて、研究実施計画に沿って、(iii) これまでの研究成果の発表にも取り組んだ。これらの取り組みの成果として、それぞれ、次のような成果が得られた。 (i) 19世紀微分積分学の歴史における多種多様な推論形式の探求という課題の準備的な作業として、より単純なモデルケースとして考えられる「図形推論」を題材に、規則という観点からの考察を行った。その成果を、国内学会、国際会議における講演において発表した。 (ii) 規則の理論としての論理学という構想について、その枠組みを定式化し、その構想をCPD主要渡航先のパリ大学及びパリ大学付属学士院科学哲学研究所(Institut d'Historie et de Philosophie des Sciences et des Techniques)の研究者(Pierre Wagner教授、Albert Naibo博士)と共有した。 (iii) これまでの研究(19世紀末から20世紀初頭の論理学史・哲学史)の成果を国際雑誌論文、国際会議・国内ワークショップにおける口頭発表という形で発表した。これらの成果は、研究計画の通り、本研究計画の土台となるものであり、本研究の目的達成に資するものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
CPD採択による研究計画の変更があったこと、ならびに、これまでの研究成果の発表に予定以上の時間がかかったことは留意しなければならないが、これらの研究の成果を学術雑誌論文や国際会議における発表といった形で公表することができたことを踏まえれば、おおむね順調に本研究を進めることができていると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度も引き続き、研究実施計画をベースとして、細かな点についてはフレキシブルな形で研究計画を実施する。成果の発表も精力的に行いたい。
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