2020 Fiscal Year Annual Research Report
肺NE細胞を歩かせるのは、液性因子かメカニカルストレスか?
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19J00720
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
古川 可奈 大阪大学, 基礎工学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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Keywords | 肺NE細胞 / 肺 / NEB |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、肺の機能維持に必要不可欠な肺の感覚器NEBを構成する肺NE細胞 (NE細胞) に着目し、発生期においてどのような制御メカニズムがNEB形成に寄与するのかを明らかにすることを目的としている。ヒトの肺と構成している細胞種や構造が酷似しており、各発生ステージによる肺組織像がおおよそ判明しているマウス胎児肺を用いて、解析を進めている。 二年目となる令和2年度は、昨年度から引き続きノックアウトマウスの作製からスタート予定であったが、新型コロナウイルス感染拡大による対応のため、所属機関の指示の下、作製途中であったノックアウトマウスの多くを処分しなければならない状況となり、結果として実験を数か月間止めることとなった。しかし、共同研究先から目的遺伝子の関連遺伝子ノックアウトマウスのサンプルを供与いただき、表現型の解析を進めることができた。この結果、関連遺伝子のNEB形成への寄与は少ないとの結果を得られた。また、培養細胞を用いて新たな細胞培養デバイスの導入条件検討も進めた。今後は、ノックアウトマウスの作製の再開および解析を行い、合わせて、条件検討を行ってきた細胞培養デバイスを用いることで、遊走時に特異的に発現している遺伝子が遊走方向制御を行っているか、in vivoとin vitroの両方の実験を行うことで明らかにしたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和2年度は、新型コロナウイルス感染拡大による対応として所属研究機関の指示のもと、作製段階であったトランスジェニックマウスの処分や研究室への出勤抑制による在宅勤務がメインの勤務環境が何カ月も続く状況であった。しかし、共同研究先に協力を仰ぎマウスサンプルをもらい解析を進めたり、新たな細胞培養基盤の導入に着手したりと、厳しい状況下でも努力し研究を進めることができた。 加えて、在宅勤務にて原著論文やレビュー論文の執筆を進めることができたことで、無事に査読付きの科学雑誌に掲載されたことや、多数の国内外のオンライン学会に参加し最新の知見を得ることができていた他、招待講演による研究成果発表も行うなど、在宅勤務で行える可能な限りの研究活動を積極的に行っていた。こうしたことから研究進捗状況として、おおむね順調に進展していると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、ノックアウトマウスの作製の再開および解析を行い、合わせて、条件検討を行ってきた細胞培養デバイスを用いることで、遊走時に特異的に発現している遺伝子が遊走方向制御を行っているか、in vivoとin vitroの両方の実験を行うことで明らかにしたい。
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