2019 Fiscal Year Annual Research Report
The elucidation of the regulation mechanisms for balancing the alternate fates of self-renewal or initiation of differentiation in spermatogonial stem cells
Project/Area Number |
19J00749
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
鈴木 伸之介 国立研究開発法人理化学研究所, バイオリソース研究センター, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2024-03-31
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Keywords | 精子幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
精巣内の精子幹細胞 (SSCs)には基底状態の幹細胞 (ASCs)と分化が進んだ幹細胞 (PSCs)の少なくとも2種類の特性を持つ未分化幹細胞が混在しているために、SSCsから精子形成に至る分子機構を詳細に明らかにすることは非常に困難であった。一方、精子形成能を有したまま生体外で継代培養が可能なマウス精子幹細胞株 (GSCs)は、細胞レベルの実験系を用いて精子形成過程を効率良く解析できる可能性を秘めている。しかしながら現在の培養系においてGSCsは、精巣内の精子幹細胞と同様に不均一な細胞集団であり、GSCsの中でも精子幹細胞活性を持つ細胞は1-2%しか存在しないだけでなく、申請者はこれまでの研究において、培地交換のタイミングが1日異なるだけでその特性は大きく変動することを見出している。そのため、実験手法や実験者が異なると、細胞集団全体の特性も異なる危険性があり、現在の培養系が再現性のあるin vitro実験系とは言い難い。そこで本研究では、まず不均一な状態のSSCsをASCsから成る均一な細胞集団へと誘導し、維持が可能なin vitro実験系の確立を目指した。ASCsからPSCsへと分化誘導を行うin vitro実験系を確立済みだったため、この分化過程を1日毎に遺伝子発現解析を行い、遺伝子発現の変動を確認した。また、申請者が本研究により、確立した80%がASCs状態の培養系において、1細胞レベルの遺伝子発現解析を行い、ASCsを完全に維持できていない原因を推定し、現在化合物により推定したシグナル伝達経路を操作することにより、100%がASCs状態になる培養系確立を目指している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度予定していた細胞集団レベルの遺伝子発現解析、1細胞レベルの遺伝子発現解析は行うことができたものの、その結果を基に100%がASCs状態になる培養系確立を目指していたところ、コロナウィルスにより、研究室への入室が制限され、年度末に予定していた研究が一部遂行できず、予定よりやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナウィルスによる研究室への入室制限は、現在も続いているため、必要最低限の実験により、研究を遂行していく必要がある。そのため、一部の研究計画を再考する必要がある。
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Research Products
(3 results)