2019 Fiscal Year Annual Research Report
自発的な選択者に対する、因果性を排除した包括的な社会保障政策に向けての実証分析
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19J00811
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
迫田 さやか 京都大学, 文学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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Keywords | 因果性 / 所得格差 / 自己責任 / 非合理性 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度の成果は後述の通り、所得分配に関する成果が主たるものであった。本研究はリベラリズムでの概念『責任感応的平等主義』を用いた実証分析での結論とそのインプリケーションである。これまで設計してきたパネルデータなどを用いてcmpモデルを使ったヘックマン二段階推定によって、「自発的な選択者」自身やその両親の社会経済的バックグラウンドや社会環境から、もし仮に周辺環境が整備されていたら得られていたであろう賃金や教育水準を推計するものである。この研究報告を計画していたところ、2019年度のSASE学会ならびに12th Next-Generation Global Workshopで報告し、論文が採択された。因果性を考慮した上での就労行動や所得の問題については、橘木俊詔・迫田さやか(2020)『離婚の経済学 愛と別れの論理』にて研究成果を報告する。 また、不倫は誰がなぜ不倫を行うのかという研究も合わせて開始した。これは、不倫という非合理的な選択を取ることを探求するものであり、本研究課題にも応用することが可能である。 あわせて、アウトリーチ活動として宮城県気仙沼市唐桑町の町づくり協議会のメンバーとして、非合理的な選択を行う者とその補償政策について研究報告書をまとめた。 本研究課題報告については、京都大学で開催された12th Next-Generation Global Workshopやジェンダー研究会での報告を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
論文投稿・書籍出版等に時間を費やしたため、統計データでは把握されていない社会に潜在する課題のインタビュー調査等による把握などは行えていない。
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Strategy for Future Research Activity |
18K02176で行うアンケート調査に基づいて、因果性を統計的に考慮した場合の就労行動について分析を進める。また、他の事例(居住選択や不倫行動など)からもあえて非合理的な選択を行う者について分析を行う。
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Research Products
(6 results)