2021 Fiscal Year Annual Research Report
医薬資源として有望なヒドロキサム酸を合成する酵素の機構解明と合理的改変法の確立
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19J00870
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
永田 隆平 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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Keywords | X線結晶構造解析 / トリコスタチンA / 放線菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は、トリコスタチンAの末端ヒドロキサム酸基の生合成を担う酵素TsnB9の構造解析に成功した。前年度までに取得していたTsnB9のX線回折データを用いて、タンパク質立体構造予測プログラムAlphaFoldで構築したモデル構造を使った分子置換法によって、TsnB9の結晶構造を決定した。TsnB9の全体構造は、N末ドメインとC末ドメインの2つに分かれ、N末ドメインの構造はホモログ酵素であるアスパラギン合成酵素AsnBのものとよく似ていた。一方、TsnB9のC末ドメインは挿入配列によってAsnBのものよりも大きくなっていた。特に、TsnB9のN末ドメインの一部が立体構造的にはC末ドメインの一部を形成している点が興味深かった。TsnB9のC末ドメインのポケットは、AsnBのものよりも大きく、ポケットの奥には複数の芳香族性アミノ酸残基をもっていた。これらの残基はトリコスタチン酸の芳香環部位の認識に重要だと考えられ、このことは前年度に得られたTsnB9の基質特異性の解析結果とも合致する。 研究期間3年間で、ヒドロキサム酸基生合成の最後の反応の詳細を明らかにした。上記のTsnB9の結晶構造や前年度までに得られた基質特異性の解析結果は、今後のTsnB9の基質特異性改変の基礎になると考えている。また、日本結晶学会および日本農芸化学会にて、ここまでに得られた成果を発表した。
この他に、スクアレン合成酵素とよく似たカルバゾールプレニル基転移酵素の機能解析を行った。その結果は、共同研究者が行った結晶構造解析の結果とともに、Angewandte Chemie International Editionにて誌上発表した。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)