2020 Fiscal Year Annual Research Report
時空間的に内在性遺伝子を誘導する人工転写因子システムの開発
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19J00883
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Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
鈴木 美有紀 基礎生物学研究所, 生物機能解析センター, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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Keywords | 人工転写因子 / ゲノム編集 / 両生類 / トランスジェニック |
Outline of Annual Research Achievements |
器官発生・再生における形態形成遺伝子の機能や役割を理解するためには、個体レベルで標的遺伝子を時空間的に発現誘導できるシステムが必要である。本申請課題では、CRISPR-Cas9を基盤としたSAMシステムとヒートショック誘導技術を応用し、時空間的に内在遺伝子を誘導する人工転写因子システムの開発を目的としている。 ヒートショック誘導型人工転写因子の活性評価を行うため、ヒト培養細胞にdCas9-VP64発現ベクター、MS2配列を付加したsgRNA、MCP-HSF1 mRNAおよびレポーターベクターを共導入した。ヒートショック後、デュアルルシフェラーゼアッセイによりレポーター誘導活性の評価を行った。また、このシステムをin vivoへ導入しイモリ器官再生研究のための遺伝子機能解析法を確立するためには、ヒートショック誘導型人工転写因子発現カセットを組み込んだトランスジェニック(Tg)イモリの作製が必要である。本年度はこの目的を達成するために、簡便で高効率なTgイモリ作製技術の確立にも着手した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験群とネガティブコントロール群のルシフェラーゼ誘導活性を比較した結果、期待されたヒートショック依存的な転写誘導活性が認められなかった。この原因として、哺乳類より低温で生育されるイベリアトゲイモリのHSF1を用いたため、HEK239細胞ではすでにヒートショックがかかっていた可能性がある。今後、恒温動物であるマウスHSF1を用いて293細胞で評価するほか、変温動物であるアフリカツメガエルのA6細胞でイモリHSF1を再評価することにより、問題をクリアしたい。
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Strategy for Future Research Activity |
HSF1コンストラクトまたは評価系細胞種を改め、ルシフェラーゼレポーターアッセイによる誘導活性評価を引き続き行う。トランスジェニック系統の確立に関しては、作製したTgイモリをライン化し、Creリコンビナントタンパク質の受精卵(in vivo)での活性、およびRMCE効率を評価する。
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Research Products
(1 results)