2019 Fiscal Year Annual Research Report
構造情報に基づく蛋白質の複合体形成部位の大規模分類手法の開発と予測構造への展開
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19J00950
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中村 司 東北大学, 情報科学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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Keywords | 蛋白質間相互作用 / 蛋白質 / 蛋白質相互作用部位 / 蛋白質立体構造予測 |
Outline of Annual Research Achievements |
実験的な手法によって明らかになった蛋白質の複合体構造の数は,近年増加傾向にあるものの,蛋白質間の相互作用があると考えられている,立体構造未知な推定上の複合体の数と比較すると,ごくわずかなのが現状である.このような背景のもと,複合体の形成面の特徴量を構成する方法を開発し,これを既知の複合体構造に用いることで複合体形成面への理解を深めるとともに,立体構造未知な推定上の複合体へと応用する. 今年度は,蛋白質複合体の相互作用部位における結合サイトの表現法の開発を行った.ここで考えている結合サイトの表現法は,高性能かつ,高速に結合サイト間の類似度を得られるような表現法である.この手法をProtein Data Bankに登録されている既知の蛋白質複合体構造に適用することで,結合サイトの分類を行う.以前開発を行った,基質結合ポケットのベクトル表現法の際同様,蛋白質相互作用部位も同じく蛋白質の表面に露出している局所構造であり,本研究における結合サイトのベクトル表現にも同様の枠組みを適用可能であると考えられる.この考えのもと,まず結合サイトを,それを構成するアミノ酸残基のtripletに分解し,tripletの頻度ベクトルで表現した.その後,tripletを構成するアミノ酸間の類似度及び,残基の空間的な距離に基づいたtriplet間の類似度を用いて変換を行い,結合サイトのベクトル表現とした.加えて,配列の進化的保存度に基づく各残基の重みづけの導入も行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた結合サイトのベクトル表現法の開発を行った.また,配列の保存度も表現法の枠組みに導入した.
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Strategy for Future Research Activity |
既知複合体構造の結合サイトのデータセットを作成し,これを用いて他手法と比較したベンチマークを行う.この結果を踏まえて,開発したベクトル表現法の特性や,得手不得手について解析する.既知複合体構造全体へと適用し,結合サイトの分類を行う.
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Research Products
(5 results)