2021 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19J00952
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
橋本 倫拓 九州大学, 医学研究院, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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Keywords | 造血幹細胞 / ミトコンドリア / 代謝 / オートファジー |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は2021年より渡米し、Cincinnati Children’s Hospital Medical Center, Experimental Hematology, Cancer Pathology (Gang Huang lab) において乳幼児期の造血についての研究をさらに行なった。 造血幹細胞はすべての血液細胞の元となる細胞であり一生にわたり血液の産生をし続ける。成体の造血幹細胞は静止期に留まり幹細胞性を維持、必要に応じ(感染、失血)分裂期に入り末梢の血液細胞を産生する。一方で乳幼児期の造血は体の成長に伴い多量の血液を産生する必要がある。実際に造血幹細胞の分裂、細胞周期の解析、細胞数のカウントを行うと乳幼児期の造血幹細胞は分裂期にあり造血幹細胞の絶対数も増加している。通常造血幹細胞が分裂期にある時にはミトコンドリア代謝(TCAサイクル、酸化的リン酸化)が活性化され分裂に必要なエネルギー、核酸を得ているがミトコンドリア代謝に伴い活性酸素も産生される。乳幼児期造血幹細胞は成体の造血幹細胞に比べ高いミトコンドリア代謝活性を示すが一方でミトコンドリア内の活性酸素はミトコンドリア代謝活性の低い成体のほぼ同等のレベルを維持している。RNAseqの解析結果より抗酸化作用のあるcatalaseの高発現により活性酸素を抑制している可能性が示された。また、ミトコンドリア酸化的リン酸化阻害剤添加を行いミトコンドリアストレスを成体、乳幼児期の造血幹細胞に与えると成体造血幹細胞は活性酸素の異常な産生、ミトコンドリア膜電位の上昇を示すが、乳幼児期の造血幹細胞は上昇しなかった。つまり乳幼児期造血幹細胞は成体造血幹細胞に比べミトコンドリアストレスに高い耐性を持つことが示唆された。 これまでに得られた解析結果に加え米国で得られた結果を合わせ論文投稿する予定である。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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