2019 Fiscal Year Annual Research Report
RCNMV増殖に影響を与える植物側・ウイルス側配列変異の包括的解析
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19J01031
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
神谷 麻梨 龍谷大学, 農学部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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Keywords | RNA-Seq / ウイルス / 植物・ウイルス間相互作用 / RCNMV / disorder領域 / シロイヌナズナ |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、研究遂行に必要な材料の作製、ウイルス接種方法の検討と予備実験、RNA-Seq手法の改良を行なった。接種対象であるシロイヌナズナの種子回収やウイルス多型プラスミドの作製は順調に進んでいる。接種に用いるウイルスRNAについてはプラスミドからのin-Vitro転写により問題なく作製できることを確認した。まず、これを用いて植物葉への機械接種を行い、良好な結果が得られた。一方でこの手法では、組織内での感染細胞の割合の少なさが結果のばらつきに影響していることが示唆された。また、検出感度の良いRNA-Seqでは葉上に残った接種源が検出される可能性もあるため、次年度は、宿主内でのウイルスの実際の増殖量の測定や、プロトプラストへの接種を検討する。ウイルスの増殖量は、増殖時に合成されるマイナス鎖の定量により行う予定である。シロイヌナズナから接種に十分な量のプロトプラストを得るための手法は今年度から検討を始めており、シロイヌナズナ葉の表皮をテープで剥離し葉肉細胞を得る方法では、状態は良好だが収量が不十分であるという結果になった。一方で、葉を補足裁断しプロトプラストを調整する方法では十分な収量が見込まれたので、この方法をさらに改良して適用する予定である。また、プロトプラストへのウイルスの接種方法の調整を行う。接種後のプロトプラストを対象としたRNA-Seq解析の手法については、より少量のサンプルからでもライブラリが作製できる手法を確立しており、これを用いて進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究課題遂行に必要な技術の確立や実験は問題なく進行しているため、「おおむね順調に進展している」と判断した。本年取り組んだ個体レベルでの接種では目的の解析に合ったデータが得られにくいことが示唆されたが、これに対し次年度は細胞レベルでの接種を行い対応する予定になっている。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降も研究遂行必要な技術の確立と本実験を並行して行う。特に、本年度の結果を受けて、プロトプラストへの接種とRNA-Seq解析を進めていく。まずはCol-0系統を用いて基盤となるデータを収集・解析し、他の系統での実施へ向けた検討材料とする。また、植物の栽培温度の影響についても考慮する。
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Research Products
(4 results)