2021 Fiscal Year Annual Research Report
神経修飾物質による内的な時間経過の制御と計時機構の解明
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19J01068
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
鹿野 悠 慶應義塾大学, 医学部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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Keywords | ドパミン / オペラント条件付け / GRABセンサー / ファイバーフォトメトリー / 報酬予測誤差 |
Outline of Annual Research Achievements |
ドパミンは神経修飾物質の一つとして知られ、個体の運動、学習、価値判断、意欲などを制御するといった多岐にわたる機能を持つと考えられている。私はドパミンにより時間という内的な情報がいかに脳内で処理されるか、その情報は脳内ドパミン濃度のどういった変化で特徴づけられるか、個体の行動戦略にどう影響するかを調べた。私はマウスの脳内におけるドパミン濃度変化がリアルタイムで計測可能な技術(蛍光ドパミンセンサータンパクを用いたファイバーフォトメトリー)を用いた。その結果、もしマウスが予測していた報酬が手に入らなかった場合、ドパミン濃度の一過的な減少が見られたこと、そしてその減少幅は時間経過(課題構造上、動物は時間経過とともにより高確率で報酬が得られることを予測している)とともに増大していくということを、昨年度までの研究成果によって明らかにした。従来提唱されている報酬予測誤差の理論から裏付けられる結果であり、ドパミンによる価値判断における時間的側面の情報処理機構を証明することができた。今年度は、昨年度までに得られていた実験結果に基づいて、さらに多くの個体について実験を行い結果の堅牢性を示した。さらに、実験個体から得られたドパミン変動や個体の行動戦略に対して、昨年度に開始した強化学習モデルでの再現を更に発展させることに成功した。これらの研究内容を発表論文としてまとめ、bioRxivへの投稿、更には学術誌への投稿を済ませた。 上記の研究成果と学術論文の草稿はbioRxiv(Shikano et al., The dopamine dip amplitude is a quantitative measure of disappointment, doi: https://doi.org/10.1101/2021.07.23.453499)にて一般に公開されており、閲覧可能である。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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