2021 Fiscal Year Annual Research Report
Evolution of thermoTRP-mediated thermosensation in Anolis lizard
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19J01186
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
赤司 寛志 東京理科大学, 先進工学部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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Keywords | 温度感受性TRP / アノールトカゲ / 温度応答遺伝子 / phylogenetic ANOVA / EVE model |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、先行研究(RNA-seq)から得られたキューバ産アノールトカゲ3種における遺伝子発現データに加え、プエルトリコ産アノールトカゲ2種のRNA-seq解析を実施し、熱刺激に対する遺伝子発現応答の進化的変化を検証した。26Cと33Cに晒した個体の遺伝子発現を比較したところ、熱刺激に対して応答する共通の遺伝子群を明らかにした。これらの遺伝子は、幅広い動物種で温度応答遺伝子として保存されている可能性も高く、動物の熱応答や熱耐性の進化を明らかにする上で重要であると考えられる。また、RNA-seqデータを用いてphylogenetic ANOVA (the Expression Variance and Evolution Model, EVEmodel)を実施した。EVE modelは、遺伝子発現量に対する系統間の分断化選択を検出するものである。解析の結果、遺伝子発現量が系統特異的に変化している遺伝子を多数検出した。特に、プエルトリコ産アノールトカゲ1種については、温度感受性TRPの一つであるTRPV1の発現量が、他4種に比べ非常に高くなっていた。このプエルトリコ産アノールトカゲは高温刺激に脆弱であり、低温種として報告されている。TRPV1は高温感受性があることから、TRPV1の発現量そのものの変化が温度環境への適応に重要であるケースがあることを示唆している。 本研究当初の期待されるインパクトとして、「TRPの活性化温度は、生物の温度応答を理解・予測する上での有用なパラメータとして提示する」ことを想定していた。これまでの研究から、TRPA1の活性化温度が有用なパラメータである可能性を示唆することができ、さらにTRPV1のように温度応答遺伝子の系統特異的な発現量変化も注目に値することを示すことができた。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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