2019 Fiscal Year Annual Research Report
Chemical Evolution of High Redshift Galaxies Revealed with Multi-wavelength Spectroscopy
Project/Area Number |
19J01222
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
播金 優一 国立天文台, アルマプロジェクト, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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Keywords | 天文学 / 宇宙物理学 / 銀河形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々はすばる/Hyper Suprime-Cam (HSC) 広領域撮像探査データによって見つけられた赤方偏移z~6星形成銀河をアルマ望遠鏡を用いて観測し、酸素[OIII]88umと炭素[CII]158um輝線を3天体全てから検出することに成功した。過去の研究結果も合わせると、z>6の9個の銀河全てで、輝線の比は[OIII]/[CII]~3-20と同じ星形成率の近傍銀河に比べて10倍ほど高いことがわかった。この輝線比が高い原因を光電離モデルCloudyを用いて詳細に検証した結果、CMB減光の効果や金属量、ガス密度、炭素/酸素比の進化だけでは説明できず、代わりに近傍銀河に比べて10-100倍高い電離パラメータもしくは10-100倍低い光解離領域被覆率が必要であることがわかった。これにより、z>6の遠方銀河は効率的に電離光子を生み出し、宇宙再電離に積極的に寄与しているということが示唆された。これらの結果は論文としてまとめられており (Harikane et al. 2019b)、また天文学会、国際研究会で発表した。 また、2019年から2020年にかけてUniversity College Londonに滞在し、Richard Ellis教授らと遠方銀河の吸収線についての研究を進めた。 加えて、z=5.7, 6.6の原始銀河団の分光同定と物理的性質についての論文も出版した (Harikane et al. 2019a)。これらの研究については国内研究会で発表を行い、また2019年9月27日に記者発表を行い、毎日新聞、NHK、AFP通信をはじめとする300以上の国内外のメディアで紹介された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通りすばる/Hyper Suprime-Cam (HSC) 探査データから選択した銀河をアルマ望遠鏡で観測し[OIII]88umと[CII]158um輝線を検出し、輝線比情報から星間物質の状態に制限を加えることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は研究計画にあるように、すばる望遠鏡、VLT望遠鏡によって取られた分光データを使い、CII1334といった金属吸収線の研究を進める。
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[Journal Article] Large Population of ALMA Galaxies at z>6 with Very High [OIII]88um to [CII]158um Flux Ratios: Evidence of Extremely High Ionization Parameter or PDR Deficit?2019
Author(s)
Harikane, Yuichi; Ouchi, Masami; Inoue, Akio K.; Matsuoka, Yoshiki; Tamura, Yoichi; Bakx, Tom; Fujimoto, Seiji; Moriwaki, Kana; Ono, Yoshiaki; Nagao, Tohru et al.
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Journal Title
arXiv e-print
Volume: 1
Pages: 1~20
Int'l Joint Research
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