2020 Fiscal Year Annual Research Report
金属ナノ粒子触媒の活性サイトの集積化:酸化物クラスター含有錯体の前駆体応用
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19J01232
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
林 峻 東京都立大学, 大学院都市環境科学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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Keywords | 触媒 / 酸化物クラスター / C-N結合形成反応 / 界面 / X線吸収分光 |
Outline of Annual Research Achievements |
金属-酸化物界面は、その特異的な構造から触媒の活性サイトとして重要な役割を果たす。酸化物クラスター含有錯体は、分子レベルで金属-酸化物界面を有することから、高密度な金属-酸化物界面を有する担持触媒の前駆体として有望である。前年度までに、V酸化物クラスター含有Ru錯体の前駆体応用により調製したRu-V複合クラスター触媒のアルコールによるアミンのN-アルキル化反応における活性が、共含浸法によるRu-V触媒に比べて10倍以上向上することを見出している。本年度は、X線吸収分光(XAS)測定により、触媒調製法がRu-V触媒の電子構造・局所構造に及ぼす効果を明らかにした。また、触媒調製時の熱処理過程における、前駆体錯体からの触媒ナノ粒子の形成過程をin situ測定により追跡した。 Ru K殻XAS測定によると、Ru-V複合クラスター触媒のRuの第二配位圏はRuおよびVの両成分から構成されているのに対し、共含浸法によるRu-V触媒ではRuのみから構成されていた。これは、別々のRuおよびVの前駆体を用いる共含浸法ではそれぞれの成分が独立にナノ粒子を形成するのに対し、あらかじめRuとVを複合クラスター化することで両成分からなるナノ粒子が形成されることを示している。触媒調製時の熱処理過程におけるRuおよびVの局所構造・電子構造をin situ XAS測定によって追跡した。RuとVの固溶による複合酸化物形成を防ぎつつ有機配位子を焼成によって除去し、引き続く還元処理によりRuを還元することが重要であると見出した。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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