2022 Fiscal Year Annual Research Report
Aesthetic Research on Historical Urban Restoration in Granada
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19J01247
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Research Institution | The University of Tokyo |
Research Fellow |
佐藤 紗良 東京大学, 東洋文化研究所, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2023-03-31
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Keywords | アルハンブラ宮殿 / アルハンブラ様式 / 修復 / 都市空間 / グラナダ / イスラーム建築 / オーウェン・ジョーンズ / カール・フォン・ディービッチュ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はスペインのグラナダを対象とし、庭園空間概念を応用しつつ都市全体と個別建築の修復を分析することで、都市建築の歴史的重層性を美学的に考察することを目的としている。 2022年度は長期現地調査の代替案として「観光」という視点からのアプローチを取り入れたが、本年度もその方向で英・独に焦点を当てて研究を進め、ドイツ(特にベルリン、ノイルッピン)とスペイン(マドリード、グラナダ)で調査を行った。これにより、当時スペインが他国からの視点を自身のアイデンティティとして取り入れ、スペインのイメージが逆輸入されていたこと、その影響がアルハンブラや都市の修復作業にも見られたことが明らかになった。またアルハンブラ様式は各建築家の特徴を持ちつつ各国に伝播し、建築物として残っているものもあるということが判明した。この成果の一部を使用し、ドイツにおけるアルハンブラ様式の受容について東京大学東文研セミナーで、英国におけるアルハンブラ様式とその逆輸入について意匠学会大会で発表を行った。また、英国のアルハンブラ様式の第一人者オーウェン・ジョーンズ、及び当時スペインで着目されていた「イスラーム」とその建築装飾に焦点を当て、歴史的背景や当時の著作物の紹介と絡めて展覧会図録の一部を執筆した。 以上のことから、最終年度である2023年度は、理論分析のさらなる補強、そして本研究のキーファクターの一つである歴史の重層性だけでなく文化の形成における重層性を浮き彫りにすることができた。コロナの影響もあり実地調査や都市計画全体の調査は困難だったが、突発的事項に柔軟に対応した結果、当初のアプローチや目標としていた着地点とは違うもののそれに相当する研究結果が出せたと考える。
なお、私事により研究中断をしていたため、本報告書は2023年4月から2023年9月までの6ヶ月間(研究再開準備支援期間含む)の研究状況を報告するものである。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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