2019 Fiscal Year Annual Research Report
アホウドリ類の保全に向けた重要海域の特定と混獲リスクマッピング
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19J01267
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Research Institution | National Institute of Polar Research |
Principal Investigator |
西澤 文吾 国立極地研究所, 研究教育系生物圏研究グループ, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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Keywords | 採餌行動 / 海鳥 / 重要海域 / アホウドリ / バイオロギング / 漁業 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,日本の沖合に分布する希少性の高いクロアシアホウドリを対象に,採餌における重要海域と漁業活動による影響が大きい場所を,バイオロギング技術(GPS記録計とビデオ記録計)を用いて明らかにすることを目的としている.具体的には,詳細に記録された採餌行動から,自然の餌を頻繁に食べる海域と,漁業活動への依存度(漁業餌の採餌頻度と滞在時間)が高い海域を特定することで,特に保全の優先度が高い海域を抽出し,マップ化する.さらに,自然餌と漁業餌を食べた場所の海洋学的特徴を衛星・地理情報データから抽出し、それぞれの成立要因を明らかにする.2020年2-3月にかけて伊豆諸島鳥島で繁殖するクロアシアホウドリを対象とした野外調査を実施することができた.育雛中の親鳥16羽にGPS記録計とビデオ記録計を同時に装着し,11羽から回収した.GPSロガーによる移動軌跡から,本種は鳥島以北の伊豆諸島北部海域を主に利用しいることが明らかになった.ビデオロガーによって死んで海表面に浮いているイカ類や魚類を採食している様子が記録できた.一部の個体は漁船に遭遇していることもわかった.また,調査期間中のより詳しい食性を調べるために,糞採取も実施した.糞のDNAメタバーコーディングによる餌分析は次年度におこなう.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通り,クロアシアホウドリの繁殖地である伊豆諸島鳥島で野外調査を実施し,採餌行動や漁船依存に関する詳細なデータが取得できた.
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Strategy for Future Research Activity |
1年目の野外調査で得られた小型記録計データ(GPSによる移動軌跡とビデオロガーによる映像)の解析を進める.映像によって得られた餌種の特定および追随行動を示した漁船の種類や追随時間,追随中の採餌行動の有無を調べる.GPSによる移動軌跡から行動分類をおこない,行動の種類と地理・海洋環境との関係を調べる.さらに,自然餌を頻繁に食べた海域と漁業活動への依存度が高い海域の海洋学的特徴(一次生産,水温,海底地形など)を衛星・地理情報データから取得し,ハビタットモデリング手法や機械学習によってそれぞれの成立要因を明らかにする.さらに,1年目の野外調査で得られた糞サンプルの分析をおこなう.2~3月には1年目と同様の野外調査をおこなう.
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