2020 Fiscal Year Annual Research Report
Canonical Kahler metrics for Fano manifolds with non-vanishing Futaki invariant
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19J01482
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
中村 聡 筑波大学, 数理物質系, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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Keywords | ケーラーアインシュタイン計量 / カップルドケーラーアインシュタイン計量 |
Outline of Annual Research Achievements |
複素微分幾何学において,標準計量の存在性を何らかの適切な安定性条件と結びつけることは中心的問題の1つである. 今年度は,近年注目を集める標準計量の1つであるカップルドケーラーアインシュタイン計量について研究した.特に,カップルドケーラーアインシュタイン計量のある存在問題を汎関数を用いて研究した.カップルドケーラーアインシュタイン計量は,通常のケーラーアインシュタイン計量を物理学における多体問題(お互いに相互作用する2体以上からなる系を扱う問題)の視点から一般化した計量である.Hultgren-WittNystromが導入した. 通常のケーラーアインシュタイン計量は自明なカップルドケーラーアインシュタイン計量と見なせる.したがって,非自明なカップルドケーラーアインシュタイン計量を構成することは自然な問題意識であった.そこで,次のような汎関数を構成し非自明なカップルドケーラーアインシュタイン計量の存在定理を確立した:「通常のケーラーアインシュタイン計量を微小変形する方向を指定し汎関数の微分がその方向に消えているならば,ケーラーアインシュタイン計量の微小変形先はカップルドケーラーアインシュタイン計量である.」証明のアイデアは,自身がこれまで研究対象としてきた満渕ソリトンのカップルド版に相当する計量を経由するものである. この汎関数はカップルドケーラーアインシュタイン計量の存在性を司る然るべき安定性条件を捉えていると考えられ,今後のカップルドケーラーアインシュタイン計量の研究において重要な役割を果たすと思われる.
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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