2020 Fiscal Year Annual Research Report
ジルコン包有硫化鉱物の多種硫黄同位体局所分析による初期地球硫黄循環の解明
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19J01768
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
青山 慎之介 横浜国立大学, 環境情報研究院, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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Keywords | ジルコン / 包有物 / 冥王代 / 硫化鉱物 / 磁硫鉄鉱 / 硫黄同位体 / 局所同位体分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
丹沢・ミシシッピの川砂試料、ジャックヒルズの堆積岩試料について、重鉱物を濃集させ、実体顕微鏡下観察、硫化包有鉱物を含むジルコンをマウント、あるいは重鉱物のすべてを数センチ四方のモールドにバラマキマウントした。研磨後、新たに導入した落射光付きの偏光顕微鏡を用いて産状を観察した。その結果、これら磁硫鉄鉱は自形ではなく、角のないdropletと呼ばれる形状であることが判明した。また走査型電子顕微鏡を用いてその化学組成を分析した。その結果、ジルコン中の包有硫化鉱物のほとんどは磁硫鉄鉱であることが明らかになった。 これら産状、組成からジルコン中の硫化鉱物の成因を考察した。岩石はメルト状態から固化する時、シリケイト成分の多いメルトと硫黄成分の多いメルトに分離する。硫黄成分の多いメルトは冷却に従って最初に磁硫鉄鉱が晶出するが、その温度は1100度以上と非常に高温であることがわかっている。一方ジルコンの晶出温度は一般的に摂氏700から800度程度であるため、メルトとして磁硫鉄鉱をジルコンが取り込んだ可能性はかなり低いことが示唆される。そのため、シリケイトメルトがジルコンに取り込まれ、そのメルトに少量含まれる硫黄が磁硫鉄鉱として晶出したと考えられる。この推察はジルコン中の磁硫鉄鉱の周りに石英や長石類が存在することと調和的である。このような産状は丹沢・ミシシッピだけでなく、ジャックヒルズから得られたジルコンにも観察された。 ICP-MSを用いた年代分析は試料に多大なダメージが有るため、SIMSを用いた局所同位体分析を先行すべく、丹沢・ミシシッピの川砂試料の一部に関しては西オーストラリア大学に局所分析を依頼し、その硫黄同位体比に異常がないことがわかった。しかしコロナウイルスの蔓延によりラボが閉鎖されたため、これ以降の同位体分析は行っておらず、硫化鉱物を包有するジルコンの探索に努めた。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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