2019 Fiscal Year Annual Research Report
Modelling egg and larval transport of Antarctic Toothfish using satellite altimetry data
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19J01838
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| Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
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Principal Investigator |
森 麻緒 東京海洋大学, 学術研究院, 特別研究員(PD)
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| Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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| Keywords | 粒子追跡 / ライギョダマシ / 卵・仔魚輸送 / 東南極海 / 衛星 / GPS搭載漂流ブイ |
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| Outline of Annual Research Achievements |
2019年度の研究では、現場観測の難しさから今まで不明であった冬季海氷域における「東南極海ライギョダマシの卵・仔魚輸送経路」を、衛星由来の今までに無かった「海氷による欠損値の無い流速値」を用いて算出した。具体的には、1.月平均の「海氷による欠損値の無い流速値」を平均した短期気候流速値を作成し、代表的な卵・仔魚輸送経路の算出（ロス海と東南極海）、2. 「海氷による欠損値の無い流速値」（月平均と日平均）を用いた短期変化がある海洋物理場によって、「卵・仔魚の輸送経路が時間方向に変化する度合い」、「年・リリース日による輸送成功率の変化」の検証、3 南極観測事業における2台の漂流ドリフターの投入、表層流の観測をおこなった。
結果として、
1.過去の生物現場観測から推測された卵・仔魚輸送経路が存在することを本研究の粒子追跡で世界で初めて確認することができた。この結果を、6月フランスで開催されたCCAMLRのグループワークショップにおいて発表した。
2.リリース日・年にかかわらず、大きく分けて2つある輸送パターンのうち、バンザーレバンクから大陸棚への輸送の成功率はかなり低く、逆に大陸斜面から大陸棚への輸送の方が、成功率が圧倒的に高いことが判明した。この結果は10月オーストラリアで開催されたCCAMLRのグループワークショップにおいて発表した。
3.投入された漂流ドリフターは現在も無事稼働中であり、現在1台（投入：東経110度、南緯65度）は東経102度あたりで北東へ流され始め、現在も地形に沿って東へ流されている。もう1台（投入：東経115度、南緯64.5度）は東経109-110度においてわずかに北上したが連続してゆっくり西方へ流されている。年間を通した表層の流速データは東南極陸棚斜面域において少なく、本研究の粒子追跡結果と比較する上で、希少なデータを得ることができた。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019-2020年の研究実施計画は、衛星データを主に利用したライギョダマシの卵・仔魚輸送経路の把握であり具体的には1.衛星データから海洋の流速データ（地衡流）セットの構築、2.地衡流データセットを用いた卵・仔魚輸送モデルによる東南極海の初期ステージのライギョダマシの輸送経路の把握、3.GPS搭載ドリフター観測であった。実施状況は以下の通りである。
1.衛星データから海洋の流速データ（地衡流）セットの構築：粒子追跡を行う上で必須であるデータセットのため、計画通りに算出済みである。
2.地衡流データセットを用いた卵・仔魚輸送モデルによる東南極における初期ステージのライギョダマシの輸送経路の把握：複数の衛星由来のデータセット（解放水面・海氷域流速、海氷密接度）を用いる粒子追跡モデルを改良し、2011年から2018年の6/30から9/28（ライギョダマシの産卵期とされている）において15日インターバルで粒子追跡を2年間行なった。粒子追跡はRunge-Kutta 4th order法で、1時間ごとのタイムステップを用いた。粒子の放流場所（産卵場）は、大陸斜面、海山、海台とした。現在粒子追跡の計算は全て終了しており、分析も半分以上終了している。現在残りの分析を行うとともに、論文を執筆中である。
3.GPS搭載ドリフター観測：2020年1月から2月において海鷹丸による南極観測に参加し、GPS付き漂流ドリフターの投入（×2）を行った。漂流ドリフターの位置は申請者のEメールを通して送られてきており、現在も無事稼働中である。
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| Strategy for Future Research Activity |
本研究課題を進捗するために今後は、1. 2019-2020年に行った衛星データによる粒子追跡結果の論文化、2.海洋-海氷結合モデルを用いた3次元粒子追跡モデルの実施及びそれに伴う輸送経路に変化を与える7項目の検証、3.2019-2020年のドリフター観測の継続及び海鷹丸による南極観測時において新たなドリフター投入（1台）を行う。
得られた結果は、10月オーストラリア・ホバートで行われる南極の海洋生物資源の保存に関する委員会（CCAMLR）におけるワーキンググループで発表予定であり、他の国際・国内の学会で発表する。更に、モデルによるシミュレーション結果が出来次第、論文執筆作業も同時に行う。
研究遂行における問題点として、COVID-19による学会の中止・延期や新たなドリフター投入の中止が挙げられる。学会の中止・延期に対しては、リモートでの学会への参加や、レポート執筆に積極的に参加し積極的に研究のアウトプットを行う。海鷹丸による南極観測事業が中止になった場合は、新たなドリフター投入は中止するが、現在稼働中の2台のドリフター観測に加え現存するArgoフロートや氷山トラックなどのデータも活用する予定である。
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[Journal Article] Calibrating process-based marine ecosystem models: An example case using Atlantis2019
Author(s)
Pethybridge, H. R., Weijerman, M., Perrymann, H., Audzijonyte, A., Porobic, J., Mcgregor, V., Girardin, R., Bulman, C., Ortega-cisneros, K., Sinerchia, M., Hutton, T., Lozano-montes, H, Mori, M., Novaglio, C., Fay, G., Gorton, R., Fulton, E.
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Journal Title
Ecological Modelling
Volume: 412
Pages: 1-13
DOI
Peer Reviewed
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