2020 Fiscal Year Annual Research Report
イオンセンサーフィッシュの開発およびそれを用いた新規イオン代謝制御因子の機能解析
Project/Area Number |
19J01846
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
細野 耕平 東京工業大学, 生命理工学院, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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Keywords | 魚類生理学 / イオン代謝 / イオン輸送体 / 腎臓 / 淡水・海水適応 |
Outline of Annual Research Achievements |
水圏に生息する魚類においては、外界と体内との間の浸透圧差により、体表を介して常に水やイオンが移動する。しかし、淡水域・海水域のいずれに生息していようとも、エラ・腎臓・腸・膀胱からなる浸透圧調節器官が機能することで、魚類の体液浸透圧は常に一定に維持されている。こうした魚類のイオン代謝メカニズムについて、本研究では腎臓を中心に着目し、解析することとした。 本年度は主に、メダカの浸透圧調節器官における新規イオン代謝制御因子を探索することを主軸とした。先進ゲノム支援のプラットフォームの協力のもと、メダカの各組織を用いて、トランスクリプトーム解析を行った。その際には、昨年度にモザンビークティラピアを用いて行ったトランスクリプトーム解析の手法やデータを参考にしつつ、新たな技術開発も行った上で実行に移した。こうして得られた結果から、当初の期待通り、いくつかの新規のイオン代謝制御因子が見出された。さらに昨年度のモザンビークティラピアのトランスクリプトームデータと比較することで、これまで提起されていたいくつかの魚類生理学上の仮説の真偽を考察するために重要な、種々のデータを得ることもできた。現在はこれらの遺伝子のクローニングに加えて、腎臓以外の各組織における発現解析を行うことを目指して、実験を行っている。こうして得られた一連のデータは、魚類の浸透圧調節機構の一端を明らかにすることに寄与すると期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度はコロナウイルスの蔓延に伴う緊急事態宣言の発令により、種々の実験のみならず魚類の飼育においても制限が生じた。そのため研究にもある程度の遅れが生じた。一方で、当初難航が予想されたメダカにおけるトランスクリプトームの解析は、予想外に短期間で成功した。その結果、今後本研究において基盤となるデータだけでなく、それ以外の魚類生理学上の仮説を構築・精査するうえで欠かせない情報までも得られた。したがって、総合的に考えておおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに見出した新規イオン代謝制御因子に着目して、その発現・機能解析を中心としつつ、予定の解析を行っていく。
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Research Products
(2 results)