2021 Fiscal Year Annual Research Report
沖縄からみる環太平洋島嶼植民地支配の重層性:パイン産業の国際移動の批判的検証
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19J01886
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
八尾 祥平 東京大学, 大学院総合文化研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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Keywords | パイナップル / ハワイ / 台湾 / 沖縄 / 植民地からの近代化 / 総力戦 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度も新型コロナの世界的な感染拡大が終息せず、研究計画当初に予定した台湾・ハワイでの在外研究を断念せざるを得なくなった。研究計画通りに研究が実施できない場合も事前に想定はしていたが、2年間、在外研究が全くできなくなることまでは想定できず、研究計画を大幅に見直さざるを得なくなった。今年度は国内での文献資料の収集と分析、関連研究の整理を中心に研究を実施した。 まず、国内での史料調査は国立国会図書館や沖縄県立図書館など、国内の研究機関においてパイン産業とそれに関連する史料の収集や分析を行った。受入研究者・外村大教授から史料収集についての助言を適宜受け、調査を実施した。その結果、アーカイブスの中からこれまで未発見であった極めて重要な一次史料を少なからず発見した。 続いて、関連研究の整理としては、昨年度の湧川文庫の史料調査の結果明らかになったハワイ労働史における1920年代の意義や再評価のキー概念となる人種の階層化について、英米圏におけるフーコーの統治性をめぐる議論のフレームワークから検証しうることがわかった。たとえば、東南アジアや南アジアの植民地の社会的現実を分析したチャタジー・ストーラー・アーノルドらによる代表的な研究だけでなく、近年の台湾でも林文凱らによる研究もこうした潮流への台湾からの応答となっていることも把握できた。こうした先行研究の整理を行ったうえで、本研究のパイナップル産業の国際移転は単なる経済活動ではなく、「植民地からの近代化」論の潮流の中に位置付けることがより重要であることが把握できた。 上記の調査によって得られた成果の一部は、南西諸島研究会やJICA緒方研究所等からの依頼による講演などで報告できた。さらに、2022年4月8日に実施された欧州台湾学会でも英語報告を行った。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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