2019 Fiscal Year Annual Research Report
睡眠時におけるmRNA発現の広域時空間マップと記憶との連関
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19J01973
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
大本 育実 国立研究開発法人理化学研究所, 脳神経科学研究センター, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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Keywords | カルシウムイメージング / 2光子顕微鏡 / in vivoイメージング / イメージング技術 |
Outline of Annual Research Achievements |
睡眠は記憶の固定化に大きく関与することが知られていながら、そのメカニズムはいまだ十分に明らかになっていない。本研究は、触知覚記憶の定着に必要とされる神経活動及び分子機序を脳部位網羅的に明らかにすることを目的としている。生きたマウス脳の超広域(従来面積比36倍)において高い時間分解能・空間分解能での記録が可能な全く新しい顕微鏡、超広視野2光子顕微鏡を用いて、睡眠時における神経活動と触知覚の定着の相関関係、ならびに学習における神経細胞の活動機序を脳部位網羅的に明らかにすることを目指す。 計画1年目の本年度は、超広視野2光子顕微鏡下での神経活動のイメージングと同時にマウスの脳波および筋電位を記録できるシステムを構築した。これにより、動物の覚醒状態をモニターしながら、広域神経活動を撮像可能となった。さらに、顕微鏡下での睡眠のための効率的な馴化トレーニング法を確立し、安定した睡眠を確保できるようになった。超広視野顕微鏡による神経活動のイメージングでは、脳の広範囲の細胞活動を長期間追跡することが利点であるが、その発現を適切にコントロール必要がある。複数種類のセンサを比較し、行動異常が生じず、広範囲での活動記録に適したカルシウムセンサの発現条件を検討した。次年度はこの系を用いて、学習前後の睡眠中における1万個以上からなる神経細胞集団の活動を記録する。得られたデータから学習の習得と相関する神経細胞群・神経細胞活動を同定し、特徴のある細胞群と遺伝子発現動態との間でどのような関係があるかを解析し議論していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画に沿った実験を実施し、結果を得ているため。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度構築した実験系を用いて、学習前後の睡眠中における1万個以上からなる神経細胞集団の活動を記録する。得られたデータから学習の習得と相関する神経細胞群・神経細胞活動を同定し、特徴のある細胞群と遺伝子発現動態との間でどのような関係があるかを解析していく。
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