2019 Fiscal Year Annual Research Report
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19J10002
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
畠山 洸太 静岡大学, 自然科学系教育部, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | 超弦理論 / 行列模型 / 3+1次元膨張宇宙 / 標準模型 / 古典解 |
Outline of Annual Research Achievements |
超弦理論の非摂動論的定式化の候補の1つとして知られているIIB行列模型の古典解について研究を行った。この模型を用いたシミュレーションから、3+1次元膨張初期宇宙がダイナミカルに現れることが知られている。ただし、シミュレーションにおける時間はプランクスケール程度だと解釈されている。超弦理論が基本相互作用や物質を統一的に記述する理論であれば、宇宙の始まりと比べて時間が十分に経過した低エネルギー領域で標準模型粒子が得られるはずである。しかし、そのような状況をシミュレーションで再現するためには、行列のサイズを大きくする必要があるが、技術的に困難である。一方で、宇宙膨張により作用が大きくなることから、古典近似が正当化されることが期待される。数値的に古典解を求めるアルゴリズムを開発し、様々な古典解を得た。そこから、滑らかな構造を持つ3+1次元膨張宇宙や余剰次元の構造から3+1次元においてディラックゼロモードを与える解が行列サイズを無限大にする極限において、あることがわかった。膨張宇宙に関する結果は、最近の数値シミュレーションから得られた示唆をサポートするものである。ゼロモードに関しては、先行研究において行列配位を手で与えることにより、ゼロモードが得られていたが、本研究ではゼロモードを与える行列配位が古典解として得られたということが重要な点である。 上記の結果については、国際研究会や日本物理学会の大会にて発表をした。また、査読付き英文誌「Progress of Theoretical and Experimental Physics」へ論文を投稿し、掲載が決定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
超弦の行列模型の古典解から、滑らかな構造をもつ3+1次元膨張宇宙と標準模型粒子の存在を示唆する結果が得られたことは、IIB行列模型が超弦理論の非摂動論的定式化であるという主張にとっても重要な意味を持つ。2年目に向けてプログラムの並列化を行い、これまでより大きなサイズでの数値計算をする準備が整いつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
並列化を用いることでより大きな行列サイズで古典解を得る。そして、ヒッグスモードがあるかを調べ、ディラックゼロモードとヒッグスモードの波動関数のオーバーラップから、湯川結合を求める。また、得られた古典解周りで自由エネルギーの1ループ計算を行い、膨張宇宙と標準模型を与える古典解の自由エネルギーが最小となるかを調べる。
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