2019 Fiscal Year Annual Research Report
多形腺腫内癌のマイクロRNAに着目した唾液腺腫瘍の高悪性度ならびに悪性化能の解明
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19J10036
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
丸山 修幸 琉球大学, 医学研究科, 特別研究員(DC2) (30813539)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | 唾液腺腫瘍 / 多形腺腫 / 多形腺腫内癌 / マイクロRNA / マイクロアレイ |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度の主な成果は、多くの実験手技の習得ならびに、研究に必要なサンプルを更に検索できた事である。 2019年度は、研究の質の向上のために、新たに必要とされた実験手技を含めた予備実験を行った。即ち、付着性細胞にマイクロRNAを導入/抑制する手法(リポフェクション法、エレクトロポーション法)、増殖能アッセイ(MTS assay、EdU assay)、遊走能アッセイ(引っ掻きアッセイ、transwellを用いた解析)、浸潤能アッセイ (transwellとマトリゲルを用いた解析)、アポトーシスアッセイ、ならびにフローサイトメトリー法である。また、選定したマイクロRNAが標的とする遺伝子について入念にin silico解析を行い、選定した遺伝子をターゲットとしたウエスタンブロット法、デュアルルシフェラーゼレポーターアッセイならびにqPCRを行った。特にレポーターアッセイに関しては、In Fusion法を用いてプラスミド構築、配列確認を行い、プラスミドが問題なく構築できていることまでが確認できた。また、どのような遺伝子の予測マイクロRNA結合部位を含む3’UTRでも同一のプロトコールでプラスミドの構築ができるような手法を工夫した。プラスミド増幅、マイクロRNAを構築したプラスミドとコトランスフェクションし、レポーターアッセイまで実施できた。 また、サンプル検索に関しては、既存の多形腺腫ホルマリン固定パラフィン包埋試料から、ステップセクション法を用いた再検索を行う事で、研究対象の1つである多形腺腫内癌を疑うサンプルがさらに発見できた。この発見は、今後の多形腺腫の新たな診断プロトコールの確立に貢献することが期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験手技に関して、多くのアッセイの手技習得やトラブルシューティングの対応までの予備実験をほぼ全て行う事が出来たが、2019年度はまだ本試験の開始には及んでいない。また、唾液腺腫瘍という稀な疾患の試料、細胞株の入手が重要課題であった。研究計画において主要なサンプルは入手しているものの、機能解析における唾液腺細胞株に関して、唾液腺細胞株としては使用できないということが近年までに報告されており、代替試料の探索や代替案の確立の必要があった。
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Strategy for Future Research Activity |
上記の実験は、近年の研究論文においても多く用いられており、本研究において非常に有効な手段である。2020年度は、入手したサンプル、細胞株を対象に複数の網羅的解析や、細胞レベルでの発現解析ならびに機能解析を予定している。
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