2020 Fiscal Year Annual Research Report
Verification based on sensory nerve circuit for practical use of simple diagnostic method of rabies using follicle-sinus complexes (FSCs)
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19J10040
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
志和 希 国立感染症研究所, 感染病理部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | 狂犬病 / 診断法 / 末梢組織 / 洞毛 / メルケル細胞 / フィリピン / 野外発生 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの研究成果から、狂犬病発症犬において、洞毛のメルケル細胞にウイルス抗原、ウイルスゲノム、ウイルス粒子が存在することが判明し、脳に代わる死後診断材料として極めて有用であることを報告した。しかし、イヌ以外の動物の洞毛にウイルス抗原、ウイルスゲノムおよびウイルス粒子が存在するかどうかについては検証できていなかった。そこで、本年度はイヌ以外の狂犬病自然発症動物における洞毛の死後診断材料としての有用性について病理組織学的手法を用いて検討した。供試動物は、フィリピン、モンゴル、およびアルゼンチンにおいて狂犬病発病疑いで捕獲または死後回収された狂犬病陽性例のオオカミ1頭、アカギツネ1頭、ネコ2頭、コウモリ2頭である。10%緩衝ホルマリン固定された洞毛を検索対象として採材した。その結果、全ての動物種において鼻口部にイヌ同様の洞毛の存在が認められ、洞毛のメルケル細胞の細胞質にウイルス抗原、ウイルス粒子およびウイルスゲノムの局在が観察された。以上の結果から、イヌ以外の哺乳動物に関しても洞毛に分布するメルケル細胞がウイルス感染の標的であることが考えられ、洞毛が様々な哺乳動物の狂犬病死後診断材料として有用であることが考えられた(Shiwa, et al., 2020)。 本研究の成果から、鼻口部洞毛組織(洞毛)を用いた狂犬病診断法が科学的根拠に基づく信頼性の高い診断方法の1つであることが示された。洞毛は脳に比べて材料採取が容易で検査者への感染リスクも低い。洞毛を用いた新規の狂犬病診断法が標準法として狂犬病流行地域の診断ラボに普及すれば、狂犬病の発生状況がより正確に把握できるようになる。これにより、適切なワクチンプログラムの実施が可能となり、費用対効果の高い狂犬病コントロールが実施可能になると期待される。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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