2020 Fiscal Year Annual Research Report
Construction of cell competition-specific trans-omic network
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19J10234
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
江上 陸 東京大学, 新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | 代謝 / トランスオミクスネットワーク / マルチオミクス / 肥満 / 細胞競合 |
Outline of Annual Research Achievements |
がんの超初期段階において正常細胞層に変異細胞が生じた際、正常細胞とがん変異細胞との細胞間相互作用の結果、正常細胞層から変異細胞は排除される。この現象は細胞競合として知られている。これまで、細胞競合特異的に起こるがん変異細胞内での代謝変化が変異細胞の排除に機能していることや、高脂肪食の摂取による個体の肥満に伴った細胞内代謝機構の変動により、肥満個体の生体内において変異細胞の排除が抑制されることなどが明らかとされてきた。しかしながら、細胞競合特異的な代謝変化を制御するメカニズムは未だ解明されていない。このことは代謝経路の変化が、単独の因子ではなく、多数の因子の働きによって初めて結果として表出する複雑なプロセスであることに起因する。 近年、このような複雑な代謝ネットワークを、ゲノム・トランスクリプトーム・プロテオーム・メタボロームなどから成る多階層オミクスを統合したトランスオミクスネットワークとして捉え、解析する技術「トランスオミクス解析」が確立されつつある。そこで本研究では、肥満による細胞競合特異的な代謝メカニズムの変動の全容を明らかにするべく、代謝トランスオミクス解析の基盤技術の確立と解析を試みた。 本年度は、健常と肥満マウス間で変化したリン酸化シグナル分子や転写因子、mRNA、タンパク質、代謝反応、代謝物をまたぐ大規模な代謝トランスオミクスネットワークを肝臓や筋肉を対象に構築する手法を世界に先駆けて開発し、国際学術誌への論文発表も行った。本技術は肝臓-血液-筋肉間の臓器連関への肥満による影響も解析可能である。本研究で確立された二群間の差分トランスオミクス解析は細胞競合系をモデルとしたオミクスデータにも適用可能であるため、細胞競合特異的な代謝トランスオミクスネットワークの包括的な解明に寄与することが期待される。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Trans-omic analysis reveals obesity-associated dysregulation of inter-organ metabolic cycles between the liver and skeletal muscle2021
Author(s)
Egami R,Kokaji T,Hatano A,Yugi K,Eto M,Morita K,Ohno S,Fujii M,Hironaka KI,Uematsu S,Terakawa A,Bai Y,Pan Y,Tsuchiya T,Ozaki H,Inoue H,Uda S,Kubota H,Suzuki Y,Matsumoto M, Nakayama K I.,Hirayama A,Soga T,Kuroda S
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Journal Title
iScience
Volume: 24
Pages: 102217~102217
DOI
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