2020 Fiscal Year Annual Research Report
Identification of possible factors that regulate Doublesex-independent sexual differentiation which was newly found in the lepidopteran insect
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19J10346
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
笠原 良太 東京大学, 新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | カイコ / 分子生物学 / 性決定 / 性分化 / DMRT遺伝子 / ゲノム編集 / 生殖器 / キモトリプシンインヒビター |
Outline of Annual Research Achievements |
1.前年度に確認されたBmdmrt11E変異雌における成熟卵の脂質含量低下についてRNA-seqデータ解析による責任遺伝子探索を行い、Bmdmrt11Eの下流として働く可能性の高い9遺伝子を同定した。中でも卵巣で最も高い発現を示したCi-13という遺伝子を最有力候補とした。さらに、変異雌の卵と正常雌の卵からタンパク質を抽出し、SDS-PAGEによってタンパク質の組成を解析した。すると、変異雌の卵では卵黄タンパク質であるESPsの分解産物と予想されるタンパク質の蓄積が見られた。このESPsは機能不明タンパク質だが、先行研究から脂質結合能が予想され卵内の脂質保持を行うと考えられてきた。加えて、ESPsは胚発生期で分解を受けるが、その分解はCi-13のようなキモトリプシンインヒビターによって受精まで抑制されていることがわかっていた。以上から、Bmdmrt11E 変異体では卵内でCi-13量が減少してESPsが異常に早期に分解を受けたために脂質を保持できなかったものと結論づけた。 2.BmDSXによるBmdmrt93Bの制御について、前年度に同定したBmDSX結合配列に着目して実験を行った。まずは抗DSX抗体を用いたChIP-qPCRによって当該領域へのBmDSXの結合を調査したが、条件検討が難航し採用期間中に結果を出せなかった。続いて、CRISPR/Cas9による当該配列の破壊を試みたがインジェクションを行った胚が孵化せず、こちらも結果を出せなかった。しかし、今年度新たに得られたBmdsx変異体の生殖巣を用いたRNA-seqデータの解析から、Bmdmrt93B は予想通りメスでのみBmDSXの制御(抑制)を受けていることがわかった。また、Bmdmrt93B 以外にもDoublesex非依存的性分化を担う可能性のある因子を多数発見し、将来的な研究の手がかりを得ることができた。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)