2019 Fiscal Year Annual Research Report
Accurate 3D measurement of narrow and long structure based on speckle pattern
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19J10551
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
樋口 寛 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | 3次元計測 / 長尺狭隘構造 / スペックル / 運動推定 / 光切断法 / 内視鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,配管やエンジンなどの長尺狭隘構造内部を高精度に3次元計測可能なシステムを構築する.内視鏡,全周ラインレーザ,およびスポットレーザから構成される計測装置を対象内部に挿入し,内視鏡による取得画像を入力として,計測対象内部の大域的な3次元形状を計測する.計測には,光切断法による断面形状計測と計測装置の運動推定を組み合わせた手法を使用する. 2019年度は,提案する3次元計測手法の基礎的な理論の構築に取り組んだ.提案システムでは,パターンや特徴的な3次元構造が乏しい環境において,画像情報のみから運動推定を行うために,計測面で反射したスポットレーザの干渉により発生するスペックルを特徴量として利用する.このアプローチでは,断面形状計測に使用するラインパターンと運動推定に使用するスペックルの両方を明瞭に観測する必要がある.しかし,ラインパターンを観測するためには計測面にピントを合わせる必要があるのに対して,明瞭なスペックルを観測するためにはピントを外す必要がある.よって,1台のカメラのみで両方の情報を取得することは困難である.この問題を解決するために,本研究では光学的に条件の異なる2台のカメラを導入するアプローチを採用した.提案する2台のカメラを利用した光学系において,各カメラから得られる情報と計測装置の運動の関係を記述するモデルを新規に構築し,実実験により提案する3次元計測手法の有効性を検証した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究で新規に提案する,光切断法とスペックルに基づく運動推定を組み合わせた3次元計測手法の基礎的な原理の構築,および有効性の確認ができたことからおおむね順調に進展しているといえる.
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は,3次元計測手法の改良を進めるとともに,内視鏡を利用したシステムの実装に取り組む.具体的には以下の通りである. 1. 3次元計測手法の改良: 2019年度は断面形状計測と運動推定に必要な情報を分離して明瞭に取得するために,異なる2台のカメラを導入した.このアプローチの課題として,複数カメラを使用するために装置が大型になる点,カメラ間の同期が必要になる点などが挙げられる.カメラの視野に映り込む位置にスペックルの投影面となる拡散板等を装置の一部として設置することにより,1台のカメラのみで2台の異なるカメラを導入する場合と同様の効果が期待できる.このアプローチにより,トレードオフの問題を解決可能であるかを検証する. 2. 内視鏡を利用したシステムの実装:2019年度は計測原理の検証に注力するために,解像度の高いカメラや大型のレーザポインタなどの機材を用いて実験を行った.構築した3次元計測手法を内視鏡を利用した狭隘構造内部に挿入可能な装置に実装するにあたり,レーザの台数,配置などについて最適な構成を検討し,研究目的である長尺狭隘構造物内部の3次元計測に適用できるかを検証する.
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