2020 Fiscal Year Annual Research Report
A Contrastive Study on Peculiar Modificational Expressions in English and Japanese: Form, Meaning, and Function of A-N Expressions
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19J10598
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
石田 崇 筑波大学, 人文社会科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | 形容詞による名詞修飾 / 派生形容詞 / 基体名詞修飾可能性 / 派生と屈折の境界 / 形容詞化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、形容詞による名詞修飾に関して、(1)英語の名詞由来形容詞に見られる性質について考察し、(2)日英語の名詞修飾に関連する3つの問題それぞれに可能な説明を与えた。さらに、(3)前年度と本年度の研究成果を統合し、博士論文を執筆した。 (1)では、英語の名詞由来形容詞の性質が、接尾辞の性質に左右される点を指摘し、これが動詞由来名詞の派生でみられる現象と同様であることを論じた。また、-enが派生する形容詞 (e.g. wooden)が見せる二面性を明らかにした上で、これが英語の通時的変化から説明できる可能性を提示した。 (2)では、1つ目はLevi (1978)のいう英語の複雑名詞類における意味関係の問題について、Nakau (1994) のいう基本述語類型から捉えられることを論じた。2つ目は共感覚表現における「一方向性の仮説」(Williams 1976)をめぐる問題について、この仮説に合致しない例では、形容詞に解釈強制が関わることを指摘した。3つ目は直喩に基づく日英語の複合形容詞の違いを扱い、例えばcrystal-clearは、日本語では「水晶のように澄んだ」というように直喩マーカーが不可欠だが、これは、Watanabe (2019)のいう日本語語彙の具象性の強さによると論じた。 (3)の博士論文(A Construction Grammar Approach to Noun Modification by Adjectives in English and Japanese)では、名詞修飾に関わる形容詞は、修飾要素として本来要求する構文特性を満たす形で解釈されなければならないという仮説を提示したうえで、この仮説があてはまらないような特殊な事例においても、実は、解釈上は満たされていることを実証した。当該論文は、筑波大学大学院人文社会科学研究科より、文芸・言語専攻最優秀博士論文に選ばれた。 その他、研究活動の成果の一部は、論文や口頭発表などの形で公表されている。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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