2020 Fiscal Year Annual Research Report
連続的不斉マイケル反応を利用した多様な環骨格構築及びカルノシン酸の全合成
Project/Area Number |
19J10974
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
楳窪 成祥 東北大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | 有機触媒 / 不斉反応 / マイケル反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
一昨年度までの研究により、所属する研究室で開発されたジフェニルプロリノールシリルエーテルという有機触媒を用いるα,β-不飽和アルデヒドと求核剤との不斉マイケル反応において、これまで用いることが困難であったケトンを求核剤として作用することを見出した。本年度は、その知見を大きく展開させた。 シクロヘキサノンを求核剤として用いる系において、活性な求核剤がエノラートであることを明らかにした。メチルケトン誘導体として3-ヘキセン-2,5-ジオンを用いる反応開発を行った。この求核剤と不飽和アルデヒドを有機触媒存在下で反応させると、同一容器内で不斉ドミノ・マイケル/マイケル反応、分子内アルドール縮合が連続的に進行し、高い光学純度を有するビシクロ[4.3.0]ノナン骨格を一挙に構築できた。また、(cyclohexa-1,5-dien-1-yloxy)trimethylsilaneとα,β-不飽和アルデヒドとの反応では、不斉ワンポット・向山マイケル/マイケル反応によってビシクロ[2.2.2]オクタノン骨格化合物が高収率・高立体選択的に得られることを見出した。さらに、4-(triisopropylsilyl)but-3-yn-2-oneとα,β-不飽和アルデヒドとの不斉マイケル反応が高収率・高エナンチオ選択性で進行することを見出した。得られた生成物を利用して、HMG-CoA 阻害剤の合成中間体であるmethyl (3R, 5S)-3,5-isopropylidenedioxy-6-heptynoateの 2 ポット、総収率16%の合成を達成した。 以上のように、ジフェニルプロリノールシリルエーテルを用いた反応機構の解明および3つの不斉触媒反応の開発に成功し、さらに開発した反応を医薬品の合成に展開した。いずれの反応も、高い不斉収率で進行し、重要な合成中間体が簡便に得られている。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(9 results)