2020 Fiscal Year Annual Research Report
フレーバー物理とコライダー物理の双方から探る標準模型を超える物理
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19J10980
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
井黒 就平 名古屋大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | フレーバー物理 / コライダー物理 / LHCの物理 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度からの継続課題であった小林・益川行列の成分であるVcbをより精度良く決定するため、B→D, B→D*中間子遷移を記述する形状因子に関する研究を行った。Belle実験から報告されたB→D*lν(l=e,μ)崩壊における終状態粒子間の角度相関のデータを取り込むことや、Q C D和則の理論的改善によって、形状因子のパラメータのフィット精度を向上させた。結果として、従来のVcbの決定精度と比べて不定性を20%減らすことができた。 また、近年Vcbにはその決定方法によって値がずれているということが知られているが、我々の計算ではその問題はたとえ新物理の寄与を仮定したとしても解決されないことを示した。 精密に決定した形状因子を用いて、現在、素粒子標準模型の予言と実験結果にズレの指摘されているレプトンフレーバー普遍性に関するRD,RD*と呼ばれる物理量の標準模型での再計算を行った。 結果として、従来の計算よりも小さなRD,RD*が予言され、実験結果とのずれが一層拡大し、統計的に4.2σの解離があることを明らかにした。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)