2019 Fiscal Year Annual Research Report
一粒子の超音波浮揚に基づく超微量計測とデジタルセンシング
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19J10993
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
宮川 晃尚 東京工業大学, 理学院, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | 超音波 / 粒子 / アプタマー / 微量計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
次の検討を行った。 1.特定の分子と相互作用するアプタマーを利用し、生理活性物質の微量計測を行った。アクリル粒子(PMMA)と金ナノ粒子(AuNP)表面上にアプタマーと相補的に結合するDNAを修飾し、PMMAとAuNPをアプタマーを介して結合させた。ここにターゲット分子を導入することで、PMMAとAuNPの結合が切れることがわかった。超音波-重力複合場中で計測することで、この現象は浮揚位置の変化として観測できる。この原理を利用し、ATP、ドーパミン、アンピシリンをpM-nMのオーダーで検出できることがわかった。この測定系は豚の血中のATPの計測に適用し、本計測法が実サンプルにも利用できるということがわかった。本検出法における平衡モデルは、PMMA、アプタマー、AuNPの結合平衡と、AuNP結合PMMA粒子とターゲット分子の平衡という複雑なモデルで表される。しかし、密度標準粒子を用いてAuNPの結合量を正確に定量することにより、この複雑な平衡モデルにおいても解析が可能であるということを示した。 2.微小空間内での粒子表面反応過程を評価するためのフローセル設計および実験条件検討を行った。12μLの流路を有するセルを作製し、746 kHzの共振周波数で流路内に一つの定在波が発生できた。超音波定在波による粒子トラップ後、0.5 μL/minで送液を行っても、粒子が安定的にトラップされることがわかった。この条件下で、その場反応を起こし、反応過程を追跡することで、可逆・平衡系反応の計測が可能である。 3.デジタルセンシングに必要なナノバブル(NB)の作製を行った。5%デキストラン、5%牛血清アルブミンを含むPBS溶液を作製し、20 kHz超音波ホーンで処理することで、5, 15, 300 nmのNBを作製した。これらは、さらに条件検討を重ねることで100 nm NBを作製する。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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