2020 Fiscal Year Annual Research Report
Unveiling the mechanism of cosmic-ray supply and its timescale by supernova remnants with thermal X-ray and GeV gamma-ray observations
Project/Area Number |
19J11069
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鈴木 寛大 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | 超新星残骸 / 粒子加速 / 半導体CMOS検出器 / 宇宙線 |
Outline of Annual Research Achievements |
銀河宇宙線の起源は発見から100年以上経過した現在でも不明であり、宇宙物理学の最大の問題の1つである。近年、超新星残骸の衝撃波が加速源として最有力候補となっているが、加速された粒子が加速現場から解放されて宇宙線になれるか、という重要な問題が未解決のままだ。私は加速粒子の情報を観測データから抽出可能なほぼ全てである38個の超新星残骸に対し、加速された粒子自身(ガンマ線観測から)と加速環境(X線観測から)の情報とを初めて組み合わせ、宇宙線の加速から銀河系への供給までの描像を初めて明らかにした。最も特筆すべきは、加速された宇宙線粒子が1万年から10万年かけて徐々に宇宙空間に解放されていくことを明らかにし、さらに従来の想定を覆す描像、すなわち加速環境ごとに供給される宇宙線の最高エネルギーが3桁も異なることを示した。これらは銀河進化の理解にまで大きな変更を迫る成果である。 この研究の過程では、距離やプラズマ体積の不定性のため現在まで不明であった超新星残骸の年齢推定の信頼性を初めて定量化することに成功した。私は信頼できる年齢推定が可能な系24個に着目し、うち年齢が2千年から40万年と広い範囲に分布する8個について、信頼できる年齢推定を初めて定量化した手法で行うことで、一般の系に用いられる年齢推定手法の較正を行った。結果、2種の年齢推定法とも、factor 4の範囲内で正しい年齢を示すことを明らかにした。この成果は超新星残骸や付随する中性子星のあらゆる研究に貢献する礎となると期待する。 上記の観測的研究と並行して、将来の宇宙X線観測に向けたX線半導体センサの研究も実施した。空乏層が500 umと厚いCMOSセンサを用い、実験室測定とGeant4をベースにしたシミュレーションにより、センサのX線応答を模擬した天体観測シミュレータの開発に成功した。これは将来の衛星設計時に主幹をなすであろう。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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