2019 Fiscal Year Annual Research Report
The molecular mechanism of relationship between AOX endogenous substrate and energy metabolism.
Project/Area Number |
19J11090
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
高岡 尚輝 広島大学, 医歯薬保健学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | アルデヒドオキシダーゼ / 内在性基質 / 肥満 / 栄養代謝 / ベージュ脂肪細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
アルデヒドオキシダーゼ(AOX)は内因性・外因性のアルデヒド体や芳香族複素環の生体内変換を担うことが知られている、一方でその生理的役割についてはほとんど理解されていない。以前、マリオネグリ薬理学研究所との共同研究により、AOX4欠損マウスにおいて全身の栄養代謝が亢進し、食事誘導性肥満への抵抗性を示すことが明らかとなった。AOXの酵素としての機能を考慮すれば、上述の現象はAOX内因性基質・代謝物の変動を介したものである可能性が高い。しかしながら、どのような分子機構を介して栄養代謝が亢進するのか、その全貌解明には至っていない。そこで本研究では、全身の栄養代謝を亢進するAOX内因性基質・代謝物の同定およびその生理活性・作用機序を解明することを目的とした。
該当年度は、栄養代謝を亢進するAOX4内在性基質・代謝物の同定に取り組んだ。AOX4欠損マウスおよび野生型マウスに高脂肪食を処置し、全体重を指標として肥満の程度を継続的に評価した。野生型に比べて体重に差が認めた時点において、AOX4欠損マウスの血漿中において量的増減の認められる内在性化合物を網羅的に探索するために、AOX4欠損マウス血漿のメタボローム解析を行った。現在、この結果の解析作業を進行中である。さらに、メタボローム解析において量的増減の認められる内在性化合物が、全身の栄養代謝を亢進するのか、各AOX4への特異性がどの程度であるのを評価するために、白色脂肪細胞のベージュ化誘導活性のin vitro評価系の確立およびAOX4発現HEK293細胞を作製した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
該当年度は、本研究の重要課題である「栄養代謝を亢進するAOX4内在性基質・代謝物の同定」のために、AOX4欠損マウス血液サンプルのメタボローム解析を行い、解析作業を残してほとんどの実験を完了している。また、今後必要になるin vitro脂肪細胞培養系の確立やAOX4酵素源の確保なども着実に完了している。以上のことより、該当年度は、おおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
該当年度に行ったメタボローム解析の結果から、AOX4欠損マウスの循環血中において量的増減のある内在性化合物を候補化合物とし、これらの白色脂肪細胞のベージュ化誘導能、脂肪組織への分布、AOX4への特異性を評価する。その後、同定した栄養代謝を亢進するAOX4内在性基質・代謝物の生理活性・作用機序をin vivo, in vitroの実験系を用いて明らかにする。
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