2019 Fiscal Year Annual Research Report
芳香族非天然型ペプチドらせんを利用した新規機能性らせん高分子の開発
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19J11097
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
石堂 祐規 大阪大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | らせん高分子 / ペプチド / 重合 / らせん反転 / 温度応答 / 理論計算 / DFT |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでにらせん高分子の優れた機能が数多く開拓され、その潜在的有用性からその研究は益々盛んになっている。これまでらせん高分子は高分子鎖が形成するらせん構造そのものが着目されてきたが、次なる高機能性らせん高分子を創出するためにはそのらせん構造のピッチや内腔サイズなど、ナノスケールでのらせん構造デザインが必要となってくる。しかしながら、これまでに報告されているほとんどのらせん高分子は付加重合によって合成されており、精巧ならせん構造のテーラーメイド設計は苦手とするところである。 当研究者はペプチド主鎖に芳香環を組み込んだ新たな高分子を設計し、その高分子がらせん構造を形成することを明らかにしている。ペプチドと同じく本高分子は重縮合によって合成が可能なため、そのカスタム性は非常に高い。本研究ではその非天然型芳香族ペプチドらせんの基礎的な性質及びその応用性について明らかにすることを目的とし、研究を遂行した。 まずらせん高分子の基礎的な性質であるらせんの詳細な構造については、原子間力顕微鏡(AFM)によってらせんの構造を直接的に明らかとした。さらに溶液中での構造についても、X線結晶構造解析のデータやDFT計算、MD計算を駆使しそのらせん構造を明らかとした。本系ではペプチド主鎖に用いる芳香環によってらせん構造が変化するが、すべてのらせん高分子において同手法が適用でき、すべての場合で詳細ならせん構造を決定することに成功した。 当研究者のらせんペプチドの応用では抗菌ペプチドといった水系を視野に入れているため、本非天然型ペプチドらせんの水溶液中での挙動についても精査を行った。その結果、特徴的な温度応答性やらせん反転挙動が見いだされ、応用においてもその有用性が確認された。今後これらの知見をもとに分子デザインを最適化していくことで、新たな機能を持つらせん高分子の創製が望める。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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