2020 Fiscal Year Annual Research Report
すばる超広領域探査で明かす宇宙再電離期の原始銀河団
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19J11429
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
樋口 諒 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | 銀河団 / 宇宙線 / 銀河磁場 / スターバースト銀河 / 高エネルギー天体 |
Outline of Annual Research Achievements |
原始銀河団は現在までに銀河団へ進化すると理論的に予想される銀河の高密度領域である。原始銀河団は宇宙の大規模構造の形成過程であり、これらと宇宙再電離の電離源の関係を理解するには、高エネルギー天体現象の分布と・こうした天体が放出する宇宙線の到来方向分布の関係を理解する必要がある。特に最もエネルギーが高い最高エネルギー宇宙線(UHECR)の到来方向分布の偏り(異方性)の成因の理解は、宇宙再電離及び銀河団の形成過程の理解に繋がる。 現在UHECRの観測は北半球のテレスコープアレイ(TA)実験・南半球のオージェ実験がリードしており、それぞれで到来方向の異方性が確認されている。これまでの異方性解析では地球近傍のスターバースト銀河(SBG)が10%程度異方性に寄与していると考えられてきたが、銀河磁場による宇宙線の偏向の影響や宇宙線の質量組成・観測装置の南北の視野の限定の効果は正しく考慮されていなかった。 報告者は銀河磁場における粒子の運動を組み込んだ解析を行うことで、従来の異方性解析ではSBGの異方性への寄与が系統的に低く推定される事・北半球と南半球に分かれた解析では求められる推定値が一致しない事を示した。さらにこうした銀河磁場による宇宙線の偏向に起因するバイアスを取り除いた上で最高エネルギー宇宙線の異方性起源天体を推定する異方性の解析手法を提案し・これらを実際のTA実験・オージェ実験の観測データに適用した議論を行った。 以上の成果はInternational Cosmic Ray Conferenceを含む国際研究会および日本物理学会を含む国内研究会で報告された。以上の成果は宇宙線観測実験の将来計画の議論も含めた学位論文としてまとめられた。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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