2019 Fiscal Year Annual Research Report
角層細胞間脂質に着想を得たオレイン酸系ジェミニ型界面活性剤によるα-ゲルの創製
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19J11445
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
菅原 規 東京理科大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | α-ゲル / ジェミニ型界面活性剤 / レオロジー / 小角中性子散乱 / 小角X線散乱 / 横緩和時間 |
Outline of Annual Research Achievements |
α-ゲルは、希薄濃度領域においても増粘固化作用を示し、保水性や閉塞性にも富むため、コンディショナーやボディクリームなど工業的に幅広く利用されている。価値観が多様化する現代社会において、使用感を能動的に制御したα-ゲルの開発は極めて重要である。しかし、α-ゲルの処方戦略は、経験的な知見に頼る場合が多く、学術的な検討は極めて限定的かつ離散的であった。したがって、使用感に直結する高湿潤性のα-ゲルを開発し、保水性やレオロジー挙動に及ぼす因子を解明することは重要な課題とである。そこで本研究では、角層細胞間脂質の三次元充填構造に着想を得て、オレイン酸系ジェミニ型界面活性剤(anti-CC-9,9-EsH10-Na)による高湿潤性α-ゲルの創製を試みた。その結果、anti-CC-9,9-EsH10-Na/1-テトラデカノール(C14OH)/H2O混合系は、多量の水を抱え込みつつも高い構造規則性を有するα-ゲルを形成することを見出した。また、界面活性剤/高級アルコール比によりα-ゲル中の水和挙動を制御できる可能性が示唆された。さらに、従来のα-ゲル処方(一鎖一親水基型界面活性剤/C14OH/水三成分混合系)に少量のanti-CC-9,9-EsH10-Naを添加することによって、α-ゲルとしての粘度が約100倍高まることを見出した。そこで、α-ゲルのレオロジー挙動を規定する因子を解明するため、レオロジー/小角中性子散乱(Rheo-SANS)測定、小角広角X線散乱(SWAXS)測定、1H-NMRによる横緩和時間(T2)測定、光学顕微鏡観察を行った。その結果、α-ゲル中の過剰水量およびα-ゲルのドメイン構造がレオロジー挙動に影響することが示唆された。以上の知見が、二鎖型両親媒性物質を用いたα-ゲル製剤の調製指針となるだけでなく、使用感を能動的に制御したα-ゲルの開発に貢献することを期待する。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Research Products
(8 results)