2020 Fiscal Year Annual Research Report
個体自動追尾技術を基盤とした養殖魚生産管理システムの構築
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19J11547
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
阿部 悟 北海道大学, 水産科学院, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | 海面養殖 / 水中モニタリング / 遊泳行動 / 画像計測 / 自動計数 |
Outline of Annual Research Achievements |
漁業による漁獲量は近年頭打ちとなっており,需要拡大に対応する供給源として養殖生産が期待されている。しかし,海面養殖は農畜産業と比較して生産管理体制の整備が不十分であるため,生産・供給の安定化に向けて課題が多く存在する。本研究では,海面養殖において生簀内の個体数を把握する手段が限定されるという養魚管理上の問題について特に着目し,水中カメラ計測によって得られた映像を解析し,生簀内に存在する養殖魚の自動計数,及びそれを基盤とした養魚の状態把握モニタリングシステムの構築を目的としている。 前年度では,撮影した養殖生簀内の養殖魚の個体画像抽出手法を構築し,深層学習に用いる教師データの偏りが抽出結果に影響することが確認できた。今年度は個体画像の抽出制度のさらなる向上を目指し,最適な深層学習手法とその計算パラメータの解明を試みた。その結果として,深層学習手法の違いによってMean BF Scoreにおいて最大で60%以上の性能の向上が確認された。個体追跡手法について,これまでは追跡に用いる情報として抽出された個体画像の面積重心座標を用いてきたが,個体同士が画像上で重なり合った際に追跡が途切れるケースが頻繁に確認された。そこで,抽出された個体画像のピクセル情報を追跡アルゴリズムに組み込むことによって,連続追跡時間を向上させることに成功した。このことから,個体密度が一定以上の養殖生簀に対する提案手法の適用可能性が示唆された。また,養殖魚の行動状態の評価として,追跡時に算出された個々の移動ベクトルについて,連続するベクトル同士のなす角やノルム差などの指標を基に解析したところ,給餌時と非給餌時とで優位に異なることが確認された。このことから,個体の移動ベクトルを養殖魚の飽食度合いなどの行動状態の評価として利用できる可能性が示唆された。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)