2019 Fiscal Year Annual Research Report
Generic Object Recognition System using Deep Learning with Depth Images for Service Robots
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19J11593
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
吉元 裕真 九州工業大学, 生命体工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | 物体認識システム / ニューラルネットワーク / ホームサービスロボット / ハードウェア実装 / FPGA |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,ホームサービスロボット向けの高精度なニューラルネットワークを新しく提案し,ハードウェアに実装して高速な物体認識システムの実現を目指す.本研究の実現には,「[1] 提案ニューラルネットワークのソフトウェア上での実現」,「[2]提案ネットワークのハードウェア実装」,「[3]ハードウェアとロボット間の接続システムの開発」の3項目の達成が必要である.本稿では特に項目[1],[3]について述べる. まず項目[1]について述べる.本項目について,提案するニューラルネットワークの開発・検証を行うために先にデータセットの生成手法について開発を進めた.RGB画像を対象に自動でアノテーションをする手法を提案・開発し,本手法で用意したデータセットで学習したネットワークがホームサービスロボットで使用可能なことを検証した.また,この成果についてSISA2019にて報告した. 次に項目[3]について述べる.近年ホームサービスロボットの内部システムとしてRobot Operating System(ROS)を用いることが一般的であり,本項目の遂行にはニューラルネットワークが搭載されたハードウェアとROSを接続するシステムの開発が必須である.この開発の前段階として,Binarized VGG-16を搭載したハードウェアとROSを接続するシステムの開発を行った.また,この成果についてICSyS2019にて発表を行った.本発表は同学会でBest Paper Awardを受賞した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
項目[1]ついては1年目の実施項目であったが完了しておらず,この点については遅れがみられる.これは提案ネットワーク開発の前段階として,当初計画に含まれていなかった「検証用データセットの自動生成手法」の開発が必要であり,そちらを先に実施したためである. 一方で,元々2年目に遂行予定だった項目である項目[2]や項目[3]については進展があった. まず項目[2]について述べる.現在遂行中である提案ネットワークの実現ではソフトウェア検証を行っており,これをハードウェアへ実装するためにはアルゴリズムの再構築が必須である.現在は提案ハードウェアと似た特徴を持ち,より構造が単純で省リソースネットワークを対象にハードウェア実装実験を進めている.本ネットワークのハードウェアへの搭載実験で得た成果を基礎とすることで,提案ネットワークのハードウェアへの実装は当初予定に比べ迅速に達成可能である. 次に項目[3]について述べる.これにはロボットに搭載されるROS環境とハードウェア環境の接続システムが必要である.これまでにBinarized VGG-16を対象にシステムの構築を行い,その成果についてICSyS2019にて発表を行った.この成果については学会でも評価されており,同学会でのBest Paper Award受賞に繋がった. 以上のように,2年目に遂行予定だった項目については前倒しで進展があり,項目[1]が完了すれば,項目[2],[3]の遂行には当初の予定ほど実現に時間がかからないと考えられる.総評して,おおむね順調に進展したと考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
今後はまず1年目の実施項目の完了を目指して研究を進めつつ,完了次第迅速に2年目の実施項目に取り組むことが必要である. まず初めに項目[1]に取り組む.提案ネットワークをソフトウェアで実現し,性能の検証を行う.性能の検証では,これまでに開発したデータセット生成法を用いてデータセットを準備し,物体の位置・サイズ検出精度とクラス分類精度について従来のネットワークと比較する. 次に項目[2]に取り組む.ハードウェア向けに,実現した提案ネットワークのアルゴリズム再構築を行う.また,高位合成を活用してハードウェアへ実装する. 最後に項目[3]に取り組む.ホームサービスロボットへの搭載と性能評価実験を行う.これまでに開発したROS-ハードウェア接続システムを用いて,ホームサービスロボットと,提案ネットワークが実装されたハードウェアを接続し,システム全体の性能評価を行う.本評価実験を通じて,提案システムがホームサービスロボットに有効であることを確かめる. また,これまでに述べた項目への取り組みと並行して,論文執筆や学会発表を行う.得られた知見について論文や学会で発表し,知見を広く共有するとともに意見交換を行う.
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