2019 Fiscal Year Annual Research Report
酸化グラフェンの圧力効果を利用した機能制御と高機能性磁性材料への応用
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19J11651
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
小林 文也 熊本大学, 自然科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | 酸化グラフェン / 圧力効果 / ナノ粒子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、酸化グラフェン(GO)層間に担持するPCPナノ粒子の合成およびハイブリッド体の基礎物性測定を行った。スピンクロスオーバー(SCO)現象を示すHofmann型配位高分子{Fe(pz)[Ni(CN)4]}(pz = pyrazine)のナノ粒子を作成し、磁気測定を行ったところ、鉄(II)イオンに由来したSCO現象が観測された。このナノ粒子をGO層間へ担持させたGO-PCPハイブリッド体を作製し、赤外吸収分光(IR)測定、粉末X線回折(PXRD)測定、走査型電子顕微鏡(SEM)による観察などの各種測定を行うことにより目的の化合物の同定および層間へ担持されていることを確認した。このGO-PCPに対して同様に磁気測定を行ったところ、PCPナノ粒子に由来する磁気ヒステリシスを伴ったSCO現象が観測された。このGO-PCPに対して熱還元処理を行うことによって、還元型酸化グラフェン(rGO)とのハイブリッド体であるrGO-PCPを作製し、IR、PXRD、SEMによって、GOが十分に還元されていることを確認した。作製したrGO-PCPに対して磁気測定を行ったところ、同様の磁気ヒステリシスを伴ったSCO挙動が観測されたことに加えて、スピン転移温度の上昇が観測された。これらはrGO層間に生じた圧力効果がPCPナノ粒子のスピン転移温度を上昇させたと考えられ、SCO現象を示すGO-PCPおよびrGO-PCPハイブリッド体の作製および、そのスピン転移温度制御に成功した。また、GO層間への担持を目的とした、外場刺激応答性単核金属錯体の開発にも着手しており、溶媒分子に依存したスピン転移挙動を示す単核鉄(III)錯体および単核Co(II)錯体の合成にも成功した。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Research Products
(6 results)