2020 Fiscal Year Annual Research Report
炭素-炭素結合形成に関わるラジカルS-アデノシル-L-メチオニン酵素の機能解析
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19J11692
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
佐藤 秀亮 東京工業大学, 理学院, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | ホパノイド / ラジカルSAM酵素 / ラジカル付加反応 / アデノシルホパン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ホパノイド生合成におけるユニークな炭素-炭素結合形成反応を触媒すると推定されるラジカルSAM酵素の基質を明らかにし、酵素反応を行って、酵素機能および反応機構を明らかにすることを目的としている。令和2年度は、主として、ホパノイドの側鎖の生合成初期段階の炭素鎖伸長反応を触媒するラジカルSAM酵素HpnHの機能解析を行った。 筆者は前年度までの研究により、HpnHがジプロプテンを基質として認識し、ジプロプテンのC29位と5’-デオキシアデノシンのC5’位の間に新たな炭素-炭素結合を形成する反応を触媒し、(22R)-アデノシルホパンを生成することを明らかにした。HpnHが触媒する炭素-炭素結合形成反応の機構について次のように推定している。SAMの還元的開裂によって生じた5’-デオキシアデノシルラジカルがジプロプテンの末端に存在する二重結合にラジカル付加することで、炭素-炭素結合が形成される。このときC22位に生じたラジカルが立体選択的に水素化されることによって(22R)-アデノシルホパンが形成されると考えられる。重水中での反応解析において生成物のC22位に重水素が取り込まれたことから、ラジカル中間体の還元に水とのプロトン交換が可能なアミノ酸残基が関わると推察された。 そこで今年度は、水素原子供与残基と考えられるHpnH中のシステインあるいはチロシンの点変異体を合計11種作成し、それらの酵素反応を検討した。その結果、システイン変異体において、収率の大幅な減少および立体選択性の消失が観測されたことから、HpnHが触媒する炭素-炭素結合形成反応の機構において、5’-デオキシアデノシルラジカルのジプロプテンへのラジカル付加反応によって生じたラジカル中間体がチオールから水素原子を立体選択的に引き抜くことによって、(22R)-アデノシルホパンが生成すると結論づけた。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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