2020 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19J11773
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
星川 聖良 東北大学, 歯学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | 骨芽細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
間葉系幹細胞は脱落乳歯等からの非侵襲的採取が可能であることから、口腔歯科組織再生医療における細胞供給源として注目されている。しかし、臨床応用の際には、採取細胞間の分化能の差異といった不均一性が問題となる。本研究では、歯科領域で多くの疾患症状が生じる骨の再生に着目し、骨分化に重要な役割を果たしているOsterix(Osx/Sp7)を対象に、間葉系幹細胞からの均一で効率的な骨芽細胞分化誘導法の確立を目標とした。 近年、多発性骨髄腫の分子標的薬として奏功するプロテアソーム阻害剤による骨病変部の骨量改善作用、臨床試験やin vitro 解析系でのプロテアソーム阻害剤依存的な骨芽細胞分化シグナル増幅が報告されている。これらより、ユビキチンプロテアソーム系(Ubiquitin-proteasome system: UPS)を介したOsxタンパク質分解に着目し、Osxタンパク質安定性調節機構の詳細と骨芽細胞分化への関与について分子レベルでの解析を試みた。 本年度は① 生化学的解析よりSCF-Fbw7がOsxのE3リガーゼであることを同定した。②Fbw7はリン酸化依存的に基質認識し結合するため、リン酸化酵素同定を試みた結果、p38がFbw7依存的Osxポリユビキチン化と分解を誘導することを明らかとした。③ Fbw7ノックダウン間葉系幹細胞ならびにFbw7ノックアウトマウス由来骨芽前駆細胞において、Osxタンパク質の蓄積と骨芽細胞分化の亢進を確認した。以上より、Fbw7/p38経路を介したOsxタンパク質分解が、骨芽細胞分化抑制を介して骨代謝調節機構の一部として機能していることが示され、Osxタンパク質の遺伝学的・薬理学的な安定化制御の試みが、効率的な骨芽細胞分化誘導法開発のための有力なアプローチの一つとなる可能性が示唆された。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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