2019 Fiscal Year Annual Research Report
情報セキュリティ応用のための暗号プリミティブに関する研究
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19J11794
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
小寺 雄太 岡山大学, 自然科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | AES暗号 / 擬似乱数生成器 / 物理攻撃 / ニューラルネットワーク / マスキング / 検索可能暗号 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では社会的に広く利活用される代表的な共通鍵暗号方式であるAES暗号へ焦点を当て,AIによる攻撃を想定した脅威評価・対策立案を目的としていた.目標達成に向け,初年度では確定的な計算により乱数を生成する手法(以下,擬似乱数生成器と呼称)を導入し,AES暗号に対するマスキング(処理の秘匿化)を検討している.さらに,使用する乱数の選定を目的として,暗号用途では不可欠な高い非線形性を有する擬似乱数生成器に着目して評価を行った. 擬似乱数生成器に関する実績として,報告者はまず脆弱性評価を行った.具体的には,NTU系列と呼ばれる極めて高い非線形性を達成する生成器に対して,生成に使用される加法的なパラメータが脆弱性となりえることを群論と紐づけることで理論的に示した.これにより脆弱性を回避するための推奨パラメータを示したことになる. さらに,AI攻撃に対する乱数の有効性を確認するため,ニューラルネットワークを用いた識別実験および乱数値の出力予測を実施した.それぞれの結果として,統計的性質に特徴的な違いがあると識別可能であり,非線形性が低いと出力予測ができることが実験的に判明した.裏を返せば従来の乱数特性を適切に満たすことでAIに対しても有効である可能性が高いといえる. 上記を踏まえ,AES暗号内の処理をマスキングしたまま実施する手法を提案した.この手法は世界最小ハードウェア実装を実現する構成法をベースとしており,本構成では従来困難であった全処理の秘匿化を達成した.さらに,応用先として検索可能暗号と呼ばれる次世代の暗号方式に着目し,新規の手法を提案した.この手法ではCSVなどの行列形式で表現可能なデータを対象として,キーワードの位置を加味することにより,あるキーワードが重複して存在している場合でも区別して秘匿検索を行うことができる. 初年度目における業績の概要は以上の通りである.
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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