2020 Fiscal Year Annual Research Report
曲がった時空上の流体力学の現象の研究:輻射流体の降着流の音速点と光子球の対応
Project/Area Number |
19J12007
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
古賀 泰敬 立教大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | 一般相対論 / 光子球面・光子面 / 降着流の音速点 / 曲がった幾何学 / 流体力学 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度の研究により、本研究の主題である「音速点/光子球面対応」には「光子面(photon surface)」という構造が重要であることがわかった。本年度の取組として、「(1)音速点と光子面の対応のより一般的な研究」と「(2)光子面を持つ時空の研究」を行なった。 (1)一般の時空においては、「音速点/光子面対応」が成り立たず、成り立つには系の対称性が重要であることがわかった。また逆に、一般の流体が光子面で音速点をもつ場合、その点で輻射流体的な状態方程式を持つ必要があることがわかった。(Tsuchiya et al. (2020), PhysRevD.102.044057) (2)Einstein方程式を満たし、光子面をもつ時空を以下のとおり発見した。これらはこれまでの「音速点/光子面対応」の研究結果が適用される具体例として重要である。(a)反転対称性かつラムダ真空の、一般のpure tensionなシェルワームホール時空は、そのワームホールののどに相当する部分が必ず光子面であることを示した。またいくつかの興味深い具体例も示した。(Koga (2020), PhysRevD.101.104022)また、これら具体例のより詳細な解析やそのほかの具体例が、本課題の研究代表者による博士論文「Photon Surface and Relevant Phenomena」(立教大学、2021年公開予定)に掲載されている。(b) 電磁ラムダ真空の、warped productの時空が広く一般に光子面を持つことを示した。この種類の時空は対称性の面で多様性があり、(1)の結果と合わせて、応用上重要なものとなる。(Koga et al. (2021), PhysRevD.103.044003) また、光子球面や光子面に関連するものとして、原始ブラックホールの研究についても一定の貢献をした。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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