2019 Fiscal Year Annual Research Report
銅酸化物超伝導体の酸素制御に基づく局所構造変化が誘起する創発磁気現象の解明
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19J12050
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
浅野 駿 東北大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | 高温超伝導 / 銅酸化物超伝導体 / T*構造銅酸化物 / アニール効果 / 単結晶育成 / ミュオンスピン緩和 / 中性子散乱 / X線吸収分光 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、T*構造銅酸化物を対象に頂点酸素位置の局所構造変化が系全体のスピン相関に与える影響と超伝導発現との関係性を微視的に明らかにすることである。そこで、本研究では、酸素アニールによる磁性の変化と超伝導発現の関係を系統的に調べてきた。今年度は、以下の5つの進展があった。 1.T*構造La1-x/2Eu1-x/2SrxCuO4に対して行ったミュオンスピン緩和実験、及び、電気抵抗率と磁化率測定の解析を行い、磁性に対する酸素アニール効果と超伝導発現の関係を明らかにした。本物質の磁気・超伝導相図を初めて明らかにした。 2.溶媒移動浮遊帯域融解法によりT*構造Nd1.6-xCexSr0.4CuO4の単結晶育成を試みた。融帯を長時間安定させるため、原料棒の焼結方法を改善し、5 mm角程度の大きさの単結晶を育成することに成功した。 3.T*構造La1-x/2Eu1-x/2SrxCuO4に対するO K端X線吸収分光実験を行った。酸素アニールによりホール量が増大する事、ホール量で整理した磁気・超伝導相図はホールドープ型T構造La2-xSrxCuO4の相図とよく類似することを明らかにした。 4.T*構造La1-x/2Eu1-x/2SrxCuO4の磁性に対する不純物置換効果をミュオンスピン緩和実験と磁化率測定により調べた。CuをZnやFeで置換した試料では、磁性が安定化した。T*構造銅酸化物においてもスピンゆらぎが超伝導発現に重要な役割を果たしていることを明らかにした。 5.T*構造La1-x/2Eu1-x/2SrxCuO4(x = 0.18)の磁性に対するF置換効果を調べた。F置換により電子ドープを施し、より低ドープ領域の磁性をミュオンスピン緩和実験により探索した。その結果、F置換によりスピン相関の発達する温度が大幅に上昇した。これは、T*構造母物質の基底状態解明に繋がる重要な結果である。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Research Products
(16 results)
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[Journal Article] Oxidation Annealing Effects on the Spin-Glass-Like Magnetism and Appearance of Superconductivity in T*-type La1-x/2Eu1-x/2SrxCuO4 (0.14 < x < 0.28)2019
Author(s)
Shun Asano, Kensuke M. Suzuki, Kota Kudo, Isao Watanabe, Akihiro Koda, Ryosuke Kadono, Takashi Noji, Yoji Koike, Takanori Taniguchi, Shunsaku Kitagawa, Kenji Ishida, and Masaki Fujita
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Journal Title
J. Phys. Soc. Jpn.
Volume: 88
Pages: 084709
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Observation of two types of charge-density-wave orders in superconducting La2-xSrxCuO42019
Author(s)
J. J. Wen, H. Huang, S.-J. Lee, H. Jang, J. Knight, Y.S. Lee, M. Fujita, K. M. Suzuki, S. Asano, S.A. Kivelson, C.-C. Kao, and J.-S. Lee
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Journal Title
Nat. Commun.
Volume: 10
Pages: 3269
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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[Presentation] X線吸収微細構造解析によるLa1.8Eu0.2CuO4の電子状態に対するアニール効果の研究2019
Author(s)
浅野駿, 石井賢司, 松村大樹, 辻卓也, 伊奈稔哲, 齋藤真, 春原稔樹, 川股隆行, 小池洋二, 工藤康太, 藤田全基
Organizer
日本物理学会2019年秋季大会
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[Presentation] Cu K端XANESとEXAFSの相補利用によるノンドープ銅酸化物超伝導体La1.8Eu0.2CuO4の電子状態に対するアニール効果の研究2019
Author(s)
浅野駿, 石井賢司, 松村大樹, 辻卓也, 伊奈稔哲, 齋藤真, 春原稔樹, 川股隆行, 小池洋二, 工藤康太, 藤田全基
Organizer
第22回XAFS討論会
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