2019 Fiscal Year Annual Research Report
長膜亜目スナギンチャク類の多様性および宿主転換による多様化の解明
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19J12174
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
喜瀬 浩輝 琉球大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | スナギンチャク / 宿主転換 / 共生 / micro-CT / 分子系統 / 系統分類 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度は、申請研究を進めるうえで必要となる長膜亜目スナギンチャク類を日本の各地点(鹿児島、奄美大島、熊野灘、相模湾、大分、宮崎、琉球列島)および東沙環礁(台湾)にてスキューバ潜水およびドレッジにて採集を行った。また、南アフリカおよびブラジルからの標本も海外の研究機関に提供してもらい、これらも解析に含めた。これら収集した標本について、各形態学的特徴を観察した。また、ミトコンドリア(12S, 16S, COI) および核(18S, 28S, ITS)の6領域に基づいて分子系統樹を構築することで、系統関係の推定を試みた。その結果として、ヤドリスナギンチャク科、センナリスナギンチャク科の未記載種を発見し、記載、系統関係、宿主転換に関する4報の論文を発表した。 micro-CTを用いた非破壊的な内部形態観察を琉球大学医学部にて行った。造影剤として、ルゴール液およびオスミウム用いて観察した。その結果、2つの造影剤は同等の結果を示した。オスミウムは有害性が高いことから、今後はルゴール溶液を用いて内部形態観察を継続する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度に予定していたサンプリングは全て終えることができ、本課題の主目的である、長膜亜目スナギンチャク類の宿主転換パターンは初年度までに行った分子系統解析の結果から、大方推定することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
micro-CTを用いた形態観察については、内部形態は観察できるものの、微細構造を確認するための高解像度画像を入手するには至っていない。そのため、今後は造影剤の濃度調整や、菅電圧、菅電流の条件を変更することで問題を解決する。 また、今後は長膜スナギンチャク類のtrophic nicheを明らかにするために安定同位体解析を行う予定である。
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