2019 Fiscal Year Annual Research Report
環境応答性蛍光プローブを用いるタンパク質分解の可視化
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19J12178
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高 靖馳 大阪大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | 生細胞イメージング / 蛍光プローブ / タンパク質分解 |
Outline of Annual Research Achievements |
タンパク分解は様々な生命機能を担う経路であり、その破綻はがんや神経変性疾患などにつながる。そのため、タンパク分解のリアルタイム追跡法は、生命科学研究だけでなく、創薬研究にも非常に有用である。 研究代表者はこれまでに、PYPタグを用いる生細胞タンパク質ラベル化技術の開発に取り組み、PYPタグを可視化する蛍光プローブCG2を開発している。CG2は細胞内の水環境において蛍光を示さず、PYPタグと結合しその疎水性ポケットに入ることにより蛍光性となる。そこで、PYPタグが分解するとともにその疎水性ポケットが消失し、CG2は再び細胞内の水環境にさらされ非蛍光性となると考えられる。この蛍光の減少を、タンパク質の分解のリアルタイム可視化に応用することにした。 CG2によるタンパク質分解の蛍光観察を確認するために、試験管においてCG2とPYPタグを反応させ、タンパク質分解酵素であるトリプシンを反応系中に添加した。その結果、CG2の蛍光の減少が見られ、CG2をタンパク質分解の蛍光観察に応用できることを試験管内で証明した。 また、CG2とPYPタグが形成した複合体の安定性の向上に取り組み、CG2との相互作用を増やしたPYPタグの変異体PYPF96Dを開発した。PYPF96Dは生細胞において、CG2を用いる長時間にわたるタンパク質の観察を可能にした。 最後に、PYPF96D変異体とCG2を、免疫応答を制御するRegnase-1の分解の生細胞イメージングに応用した。Regnase-1-PYPF96Dを発現する細胞にCG2を添加しラベル化を行った後、リポ多糖(LPS)を添加したところ、時間経過とともにCG2の蛍光の減少が観察された。一方、LPS刺激を受けない細胞では蛍光の減少が見られなかった。また、LPSに応答するRegnase-1-PYPF96Dの分解をウエスタンブロット法によりも確認できた。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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