2019 Fiscal Year Annual Research Report
Adaptive and Optimal Gait Assist System Based on Three-dimensional Biomechanical Analysis of Musculoskeletal Disease
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19J12205
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
江口 僚 慶應義塾大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | 人間工学 / 健康・福祉工学 / 人間計測 / 機械学習 / ウェアラブル機器 / センシングデバイス・システム / 計測システム |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は、運動器疾患患者の歩行を生体力学的に解析する技術として、(A)少数の圧力センサを計装したインソール型足圧センサを用いた床反力推定システム、および(B)伸縮センサ搭載サポータを用いた関節角度推定システムを開発した。 (A)として、センサ計測値-床反力の関係を機械学習により簡便かつ効率的にキャリブレーションする手法を2点構築した。1点目として、低コスト・中精度のバランスWiiボード(任天堂)を用いて、1歩の歩行からキャリブレーションを行う「一歩学習」を構築した。具体的には、足圧センサとWiiボードにより1歩の歩行を計測後、標準的なばらつきを基にデータセットを複数歩分へ仮想的に拡張し、センサの計測誤差を含む少量データに対する学習性能に優れるガウス過程回帰により学習を行った。2点目として、足圧センサ単体による片足立ち・直進歩行計測に基づく、Wiiボード等が不要のキャリブレーションを構築した。具体的には、片足立ち中のセンサ計測値を体重値へ最小二乗法により回帰させ、過学習を防ぐために直進歩行中の床反力推定値に対して制約を付した。歩行計測実験を実施し、1点目は若齢者、2点目は若齢者・高齢者・変形性膝関節症患者を対象として、それぞれ手法の推定精度の妥当性を確認した。 (B)として、2本の伸縮センサを搭載した膝サポータを開発し、長時間の装着や着脱によるサポータのずれに適応可能な、センサ計測値-関節角度の関係のキャリブレーション手法を構築した。具体的には、サポータを複数のずれ位置に装着し、混合ガウスモデルを用いて、位置毎に異なる変位-関節角度の関係を学習した。角度推定時は、2本のセンサ計測値の関係変化に基づき、適切なずれモデルを確率的に選択した。若齢者を対象とした計測実験を実施し、サポータのずれに対する手法の有効性を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
生体力学的歩行解析のための要素技術として、少数の圧力センサを計装したインソール型足圧センサを用いた床反力推定システム、および伸縮センサ搭載サポータを用いた関節角度推定システムの構築を計画通り完了した。特に、足圧センサを用いた床反力推定システムについては、臨床現場において、高齢者や変形性膝関節症患者を対象として計測精度の妥当性を確認することができた。また、関節角度推定システムについては、英国King's College Londonでの訪問研究を通して、当初は想定していなかった機械学習技法を取り入れ、システム構築を加速させることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度である2020年度は、運動器疾患患者の歩行中の関節負荷を軽減するための、ウェアラブル関節トルク補助システムを開発する。また、2019年度に構築したインソール型足圧センサを用いた床反力推定システム、および伸縮センサ搭載サポータを用いた関節角度推定システムと統合し、解析した歩行データに基づき、個人毎に最適な歩行支援を行うシステムを構築する。
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Research Products
(5 results)