2019 Fiscal Year Annual Research Report
短工程で合成可能な有機π共役系分子を基盤とした光電子プラットフォーム材料の創出
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19J12257
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
鹿毛 悠冬 九州大学, 工学府, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | 近赤外色素 / 置換基効果 / BODIPY / 近赤外OLED / 近赤外ASE |
Outline of Annual Research Achievements |
光電子プラットフォーム材料の創出を目的として、ピロロピロール-aza-BODIPY (PPAB)の置換基効果の解明を基軸に合成・物性研究を展開し、一部応用検討まで行った。プラットフォーム性を示すため、合成研究はPPABに対して1段階の修飾に限定し、PPAB母骨格のアリール基にπ共役系の拡張および電子ドナーユニットの導入を行った。吸収・発光波長を効果的に長波長化できることを明らかにしたほか、近赤外領域としてはかなり高い発光量子収率や電荷分離状態からの発光という珍しい発光過程を示すことを明らかにできた。これらの置換基効果は、置換基とPPABコアをつなぐ架橋部位に大きく依存することもわかった。単結晶X線構造解析の結果から、チエニル基を架橋基とした場合には共平面性が高く、π共役系が効果的に拡張されるのに対し、フェニル基では立体障害によるねじれのためにπ共役系がある程度分離されることに起因することを解明した。これは理論計算からも裏付けを得ており、今回の研究での体系的な置換基効果の理解は、今後の分子設計指針として有用な知見とみなせる。また、良好な物性を示したものについては、近赤外有機発光ダイオード(OLED)と近赤外自然放射増幅光(ASE)発振の検討を行った。ASE発振は、レーザー材料としての応用可能性を検討するうえで重要な物性である。どちらも最適化の検討中ではあるが、OLED では3%程度の外部量子収率、ASEの検討では770 nmにASE発振をそれぞれ確認している。今後は、研究計画に従い、キノイド化などを行うことでさらなる特異な物性の発現を狙い、また有機トランジスタ材料への応用検討に展開することでプラットフォーム材料としての有用性を確かめる予定である。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Research Products
(11 results)