2020 Fiscal Year Annual Research Report
アルツハイマー病においてAβが凝集性・神経細胞毒性を獲得するメカニズムの解明
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19J12600
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
箱崎 眞結 東京大学, 大学院医学系研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | アルツハイマー病 / アミロイドβ / タウ / 伝播 / モデルマウス |
Outline of Annual Research Achievements |
①アルツハイマー病において,アミロイドβ (Aβ)が異常な凝集性を獲得し脳内をβアミ ロイドーシスが進展するメカニズムの解明と,②凝集した毒性Aβ分子腫がタウの病的変化を引き起こすメカニズムの解明を目指し,研究に取り組んだ. ①に関しては,これまでに,脳内でAβ蓄積を誘発する可溶な高分子量Aβオリゴマー (peak 1 Aβ)を同定した.本分子のどのような性質がseed効果に寄与しているか明らかにすべく,分子の可溶性,Aβ40/42比,分子構造に着目して研究をすすめた.マウス脳へのインジェクション実験の結果,脳から抽出した可溶なAβオリゴマーの方が不溶なAβ線維より強いseed効果をもつこと,Aβ40主体のAβオリゴマーもseed効果を有すること,ギ酸で破壊されるpeak 1 Aβの高次構造がseed効果に不可欠であることを明らかにした.また,剖検脳を抽出し,アルツハイマー病脳由来のpeak 1 Aβ,認知機能低下のない高齢者脳由来の高分子量Aβのseed脳を評価する実験をすすめている. また,アルツハイマー病脳の老人斑にAβと共蓄積するタンパク質CLACの役割について解析した.すでにAβ蓄積を有するアミロイド前駆体タンパク質(APP)トランスジェニック(tg)マウスに,アデノシン随伴ウイルス(AAV)を用いてCLACを神経細胞特異的に過剰発現させると,アミロイド斑の形態がコンパクトに変化し,CLACがアミロイド斑のリモデリング効果を有することが示唆された. ②Aβとタウの関係については,APP tgマウスに,AAVを用いてタウリピートドメイン(RD)をAPP tgマウスあるいは野生型マウスに過剰発現させ,Aβ依存的なタウ病理を惹起するモデルの作出を試みたが,タウ蓄積,リン酸化,細胞間伝播のいずれの評価項目についても,わずかな変化しか惹起されず,マウス間での差は観察されなかった.
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)