2019 Fiscal Year Annual Research Report
分泌関連因子CAPSを基軸とした分子/神経ネットワークレベルの記憶学習メカニズム
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19J12771
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
石井 千晶 東京理科大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | CAPS / 開口放出 / シナプス伝達 / プライミング |
Outline of Annual Research Achievements |
海馬興奮性神経回路は、複数の種類からなるシナプス回路によって情報処理が行われている。研究員は、代表的な興奮性神経回路である歯状回-CA3間シナプス回路とCA3-CA1間シナプス回路に着目し、CAPS1欠損マウスにおいて電気生理学的な解析を行った。その結果、CAPS1の機能が回路ごとに異なることを明らかとした。すなわち、歯状回-CA3間シナプス回路の情報伝達ではCAPS1の機能が不可欠であり、一方でCA3-CA1間シナプス回路では高濃度Ca2+条件下に限りCAPS1の機能を補償する情報伝達機構が存在することが示された。また、このような回路特異的なシナプス間情報伝達へのCAPS1の機能が、海馬依存的な記憶・学習能力に重要であることも行動実験より明らかとなった。以上の結果は、これまで細胞・シナプスレベルでしか知られていなかったCAPS1の機能を、成熟した脳神経回路と個体レベルの脳機能のレベルで初めて明らかとしたものである。研究成果は現在論文投稿中であり、追加実験を交えてリバイスを重ねている。 シナプス間情報伝達におけるCAPS1の分子メカニズムをより詳細に明らかとするべく、申請者は共焦点顕微鏡方や超解像度顕微鏡法を用いてシナプス微細構造におけるCAPS1とその他関連分子の分布を詳細に解析した。共焦点顕微鏡法による詳細な解析では、CAPS1と類似する機能を有するとされるMunc13タンパク質が、CAPS1タンパク質と相補的な発現分布パターンを示すことが明らかとなった。さらに高分解能で両者の分布や、他のシナプス関連分子との位置関係を解析するべく、超解像度顕微鏡法による画像解析を進めている。両者の分布パターンに加え、二重欠損マウスの生理学的な解析を行うことで、シナプス間伝達における分子メカニズムにおいて、CAPS1がどのように寄与しているかを明らかにできる可能性があると期待される。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Research Products
(2 results)
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[Presentation] Significant role of CAPS1, a regulator of synaptic exocytosis, in trisynaptic circuit and hippocampus learning2019
Author(s)
Tomoki Arima, Chiaki Ishii, Mio Yamazaki, Natsumi Shibano, Yuki Ishii, Tetsushi Sadakata, Yo Shinoda, Yoshitake Sano, Teiichi Furuichi
Organizer
第42回日本神経科学大会